飲んでみたいお酒と自分が美味しい思う酒
ー そういうお話。楽しそうですね。それほど幅広い年代のお客様がいらっしゃるのは少し驚きでした。
ところで皆さんお酒の好みは違うのですか?特に若い方とかは。
田頭 : お酒の話で言うと、年代によってやはり傾向はありますね。
若いお客様は、今はウイスキーやジンに興味津々の方が多いです。
「自分の好みを見つけたい」といった感じでいらっしゃいますね。
ウイスキーで言えば、みなさんまず一言目に、シングルモルトで、と仰いますね。
テレビとかYouTubeの影響もあってずいぶん流行りましたよね。
で、その中で好みを見つけたいと。
うちは飲み比べセットなんかもやってるんで、それで選んでもらえることもあります。
ただ、いくつかお選びして飲んでいただいている様子を見てると、「この方は多分モルトじゃないな」と感じることがあります。
流行ったからそこが入り口にはなったんでしょうけど、美味しいと感じている部分をお聞きするとどうも真ん中じゃない気がして。
合わなかったら飲まなくていいんで一口どうぞ、なんて言いながら、その時々ですけどバーボンとかダークラムを飲んでみてもらうと、「あ、これが美味しいです」となることも多いです。
味わいの構成、輪郭から想像してます。
どうしても、多くの方が流行りや知名度で飲むことが当然だとは思うんですけど、「自分が飲んでみて本当に美味しいと思うお酒」は、実は情報とは全く違ったということは多々ありますね。
ー なるほど流行りの情報に左右されて、思い込みで頭でっかちになっているのかもしれませんね。
ちなみに、女性のお客様もいらっしゃると思うのですが、好みはやはりカクテルとか?
田頭 : もちろん女性のお客様もいらっしゃいます。お客様の男女比は、7 : 3ぐらいです。
自分では比べようもないですが、うちのお店は女性の一人客も多いって言われますね。
女性の方にも入りやすく過ごしやすいと思ってもらえてるんですかね。
香りや味わいの感性については、女性の方が強いと感じています。
流行りのジンなんてまさに象徴的で、ジンを好む女性が多いのはしっくりきます。
ジンは香りの幅も広いので、そこから自分に合ったものを探していくのも楽しいです。
先ほども言ったように、男性の方が頭や情報で飲んでる感じがしますね。
女性のお客様の方がインスピレーションで飲むという感じですね。
〇〇の香りがするとか、ラベルや色が可愛いとか。
ウイスキーやジン以外でも、カクテルのオススメを聞きたい方、カテゴリーだけざっくり決めてくる方、飲みたいボトルをピンポイントで目指してくる方もいらっしゃいますね。
あなたが美味しいと思うお酒をさがしませんか
ー 色々なお客様がいらっしゃるんですね。でもそれぞれのお客さんの好みに合うお酒を見つけることって大変なのでは?
田頭 : そうみたいですね、ここに来るまでそんな店なかった、なんて言われることもあります。「特殊能力だ」とか(笑)
でもバーテンダーの役割だと思ってます。
ちゃんと全部を、ただ「美味しい」と思ってもらいたいんですよね。
でないとお金をいただける価値にならない。
もちろん最初から今のようなお酒の提案ができたわけではないですが、その「美味しい」への責任だけはずっとあって。
だからそのための勉強はそれなりにしましたし、何より自分でもずっと飲み続けてます(笑)
せっかくうちに来てくれた目の前のその方に、ちゃんと「美味しい」を見つけて欲しいんです。
お酒とお客さんのマッチングですね、そのためにバーテンダーがいると思ってます。
うちのボトルも500本くらいはあるんで、それを駆使して見つけます。
ずっと「あなたが美味しいと思うお酒をさがしませんか」という想いで続けてきているので。
ー なるほど、今日は色々な素敵なお話、どうもありがとうございました。
【インタビュー後記】
バーという業種にあって、店の雰囲気や過ごす時間の満足感だけでなく、本当に自分に合ったお酒を楽しめる場所というバーの原点に価値を置いている田頭氏。
カッコ良い大人の気遣いと気配りが、「お客様が美味しいと思うお酒を見つけられるバー」を実現していると強く感じました。
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BAR HONESTY 店舗情報
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■営業時間:17:00~翌2:00
定休日 水曜日
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