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ジャパニーズウイスキーの今後についてvol.2


ジャパニーズウイスキーの記事を以前書きました。(ジャパニーズウイスキーの今後について)
その記事でも触れていましたが、想定通り(?)サントリーから大幅な価格改定のお知らせがありましたので、その内容についてバーテンダーなりに、感じた事を書いていこうと思います。

※今回、値上げ対象となった商品は、こちら。
国産プレミアムウイスキー 一部商品の価格改定について(サントリーホールディングス株式会社)
ウイスキー・リキュール・ワイン等 一部商品の価格改定について(サントリーホールディングス株式会社)

BARの販売価格にどれくらいインパクトがあるのか?

例として山崎と山崎12年を比較してみましょう。

<2015年前後のメーカー小売価格(記憶なので少し曖昧)>
・山崎…3,500円
・山崎12年…8,500円

<2023年12月5日時点でのメーカー小売価格>
・山崎…4,500円
・山崎12年…10,000円

<2024年4月1日出荷分からのメーカー小売価格>
・山崎…7,000円
・山崎12年…15,000円

ざっくり10年くらいで、倍の値段になっています。

当店での参考値になりますが、お店で注文する時の販売価格にすると
※1杯…30ml

<2015年前後の設定価格(記憶なので少し曖昧)>
・山崎…850円
・山崎12年…1,300円

<2023年12月5日時点での設定価格>
・山崎…1,100円
・山崎12年…1,900円

<2024年4月1日出荷分からの設定価格(推定)>
・山崎…1,500円
・山崎12年…2,600円

これを見ていただければわかりますが、同じ金額を支払った場合、単純にお酒の質がランクダウンします。

ブランド力がある商品なので、お店側も利幅を抑えて(店側が負担する)販売することもありますが、これだけ価格差があると、店側で値上げを吸収するのは不可能です。

皆様ご存じの角瓶も2015年は、1本1,000円前後で、今は、1本2,000円前後。
あと数年経てば、角瓶も3,000円という時代になるかもしれません。

飲食店としてどう思うのか?

ぶっちゃけでいうと、サントリーがここまでの値上げに踏み切ったことが問題です。

お酒全般に関するリーディングカンパニーであるサントリーが値上げしたので、遅かれ早かれ、全メーカーが値上げしてきます。
それに伴い、お客様の財布も暖かくなれば問題ないですが、そんな簡単に給与やお小遣いは増えません。
値上げ幅から考えても、「一般人を相手にしない」「BAR等の飲食店を相手にしない」と宣言しているようにすら感じます。

サントリーとして、

  • 様々な品評会で金賞を受賞しているにも関わらず、販売価格が安すぎた。
  • 何十年という期間、熟成・保管する在庫管理費、リスクヘッジを考えると当然の値上げ。
  • 市場が収縮していく日本をターゲットにせず、グローバルブランドを確立するための値上げ。
  • (熟成しないといけないので)商品化までに時間がかかる為、提供できる商品数に限りがある=希少価値を上げる。
  • 巨額の設備投資を早期に回収したい。

という狙いもあると思います。

戦略は「やらないことを決める」ことでもあるので、そういう意味では、国内での高級価格帯に踏み込めるブランド商品の啓蒙活動に終止符を打ったとも言えるかもしれません。

価格転嫁をしていくとは言え、お客様側の使えるお金には上限があるので、今後、BARは、富裕層しかいけないお店になっていくかもしれません。
その場合、富裕層向けのサービス・空間が求められていくので、お客様側と店側の求めているサービスにギャップが生じてくるのでは?と思っています。

日本各地でウイスキーのイベントをやっていることに思うこと

日本各地でウイスキーのイベントが開催されており、私の先輩もよく参加しています。
特に、首都圏での集客はすさまじく、2日で数千人がイベントに集まります。
そこでは、大手・中小含めたくさんの日本の蒸溜所も出展しています。
勿論、ウイスキーに興味がある人が多く足を運ぶイベントになりますが、「会場でしか試飲できない」という問題があります。
要は、イベントなので、各メーカーも商品の認知、集客を目的に様々なウイスキーを案内してきますが、いざ購入しようとすると、

  • 数量限定で、商品が買えない。
  • ウイスキー1本の値段が高すぎて購入できない。

ということがおきます。

すごくドライに言うと、来場者とイベントの趣旨にミスマッチがおきていて、期待をさせるだけさせておいて、商品を手にするチャンスがないんですね。

欲しい人には商品が届かず、メーカー側も届けたくても届けられないという…。
商品の特性上、商品化に時間がかかるので仕方がないところもありますが、もう少しイベントの方向性を再考してやらないと、誰もが不幸になってしまうように感じています。
私自身も、その解は持ち合わせていないのですが、将来的には大きな歪みになっていそうで、ウイスキー=投資商材の一つになりかねないなと…。。。

今回のサントリーの値上げ騒動で、業界内に大きな影響があることが明白になり、一方で、BAR業界の社会的地位の低さが露呈した瞬間だと感じました。

所得をあげるという方向で政治が動いていますが、給与があがったところで、同じように支出も増えるので、生活の質に大きな変動はないはずです。
また世の中、美味しいものがたくさん溢れている昨今、今の価格の倍の値段を出してまで、飲みたいと思う人は何人いるでしょうか?

BARだけでなく、飲食店全般がお客様へのサービスを見直す必要がある気がしています。


【お知らせ】 この記事をご覧の皆様に、投稿者 福岡さんのお店「BAR DEEP」よりお知らせです。

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