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ジャパニーズウイスキーの今後について

ジャパニーズウイスキー

2023年10月8日に開催されたジャパニーズウイスキーストーリーズ福岡(略称:JWS)に行ってきました。
JWSは、福岡と佐賀のバーテンダーによるジャパニーズウイスキーに特化したイベントです。
チケット販売も全て前売りで完売したようで、1200名程の来場があったと聞きました。
※福岡・佐賀のバーテンダーの皆様、お疲れ様でした。
今回は、イベントに参加した感想と今後の日本のウイスキーについて想うことを書いていきます。

ジャパニーズウイスキーストーリーズ福岡
トークイベントの様子

そもそもジャパニーズウイスキーの定義とは?

もともと日本のウイスキーの定義は、かなり曖昧でした。

私の聞いたことがある話では、焼酎を木の樽で熟成したものをジャパニーズウイスキーという表記で海外で販売していました。※確か、諸外国では、焼酎の定義がないので、ウイスキーのカテゴリーに入ってしまうとかそういうこともあったと記憶しています。

製造のプロセスはかなり似ていますし、厳密な定義もなかった為、法律も違反しないので、ある意味、好き勝手でき、性善説に基づくような定義でした。

近年、日本のウイスキーの評価が世界的に認められ、消費者にとって紛らわしい状況は、日本産のウイスキーに対する評判や信頼性が落ちる原因となる可能性があるという話が浮上し、ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」いわゆるジャパニーズウイスキーの定義は、2021年2月に制定、4月に施行されました。その内容は下記の通りです。

  • 原材料には麦芽などの穀類を使用すること。
  • 麦芽は必ず使用すること。
  • 日本国内で採取された水のみ使用すること。
  • 糖化、発酵、蒸溜は、日本国内の蒸溜所で行うこと。
  • 蒸溜溜出時のアルコール分は95度未満であること。
  • 内容量700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること。
  • 日本国内で容器詰めし、充填時のアルコール分は40度以上であること。
  • 色調の微調整のためにカラメル(E150a)の使用を認める。

ちなみに皆さんがよくご存じの「角瓶」ですが、実を言うとジャパニーズウイスキーの定義には合致していません。
どの項目が合致していないのかは不明ですが、角瓶はジャパニーズウイスキーとは名乗れません。正確には、国産ウイスキーというカテゴリーに入ります。

また日本の蒸溜所は、サントリーやアサヒビール、キリンの大手三社を始め、日本各地に続々とウイスキー蒸溜所は造られており、現在は、100箇所近くあります。

イベントで感じた事

日本のウイスキー蒸溜所は、ここ近年で爆発的に増えました。

今回のイベントは、ジャパニーズウイスキーに特化したイベントの為、まだ熟成しはじめたばかりのウイスキーが多いイベントでした。
たぶん一番長く熟成しているもので、5年モノのウイスキーがあるかないかだったのではないかと思います。よって、ニューボーンが多かったイベントでした。

ちなみに、蒸留したて(出来たて)のウイスキーは、無色透明でそのウイスキーのことを「ニューポット」と言います。
そして、熟成し始めたばかりで少し琥珀色に変化し始めたウイスキー(だいたい熟成して1年未満のもの)を「ニューボーン」と言います。

ぶっちゃけプロ目線でいうと、ニューポットやニューボーンのウイスキーは、お店では販売しにくいです。
それらのウイスキーは熟成されていないこともあり、アルコール感が強く、また味わいとしても奥深さがないからです。
かなりウイスキーが好きなお客様に売ることはできても、正直な所、お金を頂けるものではない、と思っているバーテンダーが多いのではないかと思います。

では、なぜ今回イベントに行き、試飲で何を確認しているの?という話になると思いますが、私達は飲んだ時の印象で、「これが熟成されていくと、美味しいウイスキーが出来上がるかも?」という将来的な期待値を確認しています。
個人的な意見で言うと、比較的寒い地方の蒸溜所が今後の可能性を感じるウイスキーが多かった印象でした。

色々試飲しましたが、どの蒸溜所もあの手この手で研究や研究を重ねられていました。

ジャパニーズウイスキーへの期待と心配

まだ熟成途中のウイスキーが多いので、味には今後に期待したいと思いますが、世界的なウイスキーブームの影響もあり、ジャパニーズウイスキーに限らず、ウイスキーの価格の高騰は異常な状態が続いています。
※当店が5年前ほどに15,000円程度で購入したウイスキーも、ネットで見ると40万円という値段が付いていました。

世界的にみても日本のウイスキーが安かったことや人件費や原材料も高騰等の影響もあり、基本的に値上げや価格転嫁には賛成派なのですが、このままウイスキーの値段が高騰していくと、ジャパニーズウイスキーのお店での販売価格の相場が、1杯5,000円〜となっていきそうな予感がしています。

また最近の相場的な話でいうと、日本のウイスキーは、3年熟成で15,000円〜20,000円で販売されていることが多いです。
仮に同じ金額で海外のウイスキーを購入しようとした場合、15年〜20年熟成されているウイスキーを購入することができます。

熟成期間が長ければ長い程美味しいというわけではないですが、やはり日本の3年熟成のウイスキーと海外の20年熟成のウイスキーを比較した場合、20年熟成のウイスキーが美味しいことが多い傾向にあるのは、間違いないと思います。

3年熟成には3年熟成の良さがあるので、一概にどうと言うことはできませんが、今後、ジャパニーズウイスキーは、どれだけ価格が上がっていくのかなー?と思っています。

ウイスキーの市場が活性化していくことは、飲食店としても喜ばしいことですが、消費者が全く飲めない価格帯になると、それはそれで悲しいと思いますし、嗜好品より転売を目的にした投資アイテムになっていきそうな気もしています。


【お知らせ】 この記事をご覧の皆様に、投稿者 福岡さんのお店「BAR DEEP」よりお知らせです。

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BAR DEEP 店舗情報

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