BARの経営 戦略と戦術(後編)

飲み放題の戦略

前回の「BARの経営 戦略と戦術(前編)」の続きになりますが、まずBAR業界の現在地について所感を述べたいと思います。

華やかにみえるBAR業界の厳しい現状

【会計が不明瞭で、行きにくい】
→価格が明記されていないので、一杯いくらなのかお客様はわかりにくい。
※何杯飲んで、何時間居て、大体いくらなのかが見えない(居酒屋は相場が見える)
※店側としても、扱うお酒の酒類が多すぎるので、メニュー化しにくい。

【取扱商品(お酒の酒類)がどの店も類似する】
→差別化が難しい。

【コロナ禍、円安等の影響でお酒の仕入れをはじめ、原価が高騰。人件費も右肩あがり】
→利益の圧迫。

【コロナ禍で飲み歩く人が減った。リモートワークが増えて、終電が早まった】
→遅くまで飲む人が減る等、マーケットの縮小。

【企業の飲み会が減る=上司と飲みに出る機会が減る=上司からお酒を学ぶ習慣がなくなる】
→文化そのものが衰退。また若い人は経験したことがないので、店側がオリジナリティや品質勝負を仕掛けたところで、お客様側に基準がないので比較しようがない。

【店側は数を捌いて売上げを作るか、商品単価を上げていくかの2択】
→数を捌くにも来店数が減少傾向にあり、単価を上げようにもお客様側のBARで使う予算が増えているわけではない。

ざっと思いつく限りで、これだけ苦しい環境になってきているはずです。

特にBARの場合、ラーメン屋のようにお客様が食べ終わったら帰るわけではなく(数を見込めない)、カフェのようにテイクアウトや豆の販売で売上げを補えない(店内以外での収益が生み出せない)ので、店内をどう活かすか?が全てだと思います。

そして店側の問題でもありますが、1杯だけ注文して、長時間滞在する人も少ないのが業界の実態です。

一例を上げると、「お客様一名にスタッフ一名が応対した場合」(※滞在時間を2時間と仮定 金額は概算)

【お客様の会計】4,000円 内訳 カクテル3杯…3,000円 席料…1,000円

【スタッフの1人の人件費】3,000円 内訳 時給1,500円×2時間(深夜労働の為、時給25%UP)

【粗利益】1,000円

となります。
勿論、来店数が増えればスタッフの人件費は薄まりますが、お客様がこれ以上の追加注文がなく、スタッフが接客対応した場合、一瞬で赤字になります。

ビジネスモデルの再考

当店の場合、お客様がお酒を飲んでいる時間より、バーテンダーやスタッフと会話している時間の方が圧倒的に長いです。
これは商品の魅力というより、空間や人との会話に時間を使っているという感覚のはずです。

この理論から考えると、BARは、単品売りの商品軸ビジネスモデルより、スナックやカラオケのような時間で売上をつくる時間軸のビジネスモデルがベターなのでは?と考えています。

BARは、無形商品・商材を提供するビジネスではないので、完全に時間軸でのビジネスに落とし込むことは難しいですが、外食産業には、「飲み放題」というシステムがあります。

飲み放題を見直してみる

飲み放題のシステムのメリットは、店舗側からすると、滞在時間での管理になるので注文がなくても、スタッフの人件費を気にする必要はありません。
さらにお客様側目線では、最初から料金を提示することで、BAR特有の怖さである会計が不明瞭という不安も払拭できます。

ただしデメリットとして、一般的に「飲み放題」には次のような先入観があると考えられます。

  • 安い酒を使っている
  • 適当に作っている
  • 美味しくない
  • 味より量

お客様にはこのような潜在意識があるのではと思います。

しかし、味より量という項目以外は、BARであれば、技術的に覆すことが可能です。
また大多数のお客様が、「不味いものは嫌だけど、特にこだわりはないが本音(よくわからないを含)」が実態だと思っています。

飲み放題の概念を覆す

ということで、仮説にはなりますが、空間使用料としての飲み放題システムの導入にて

  • お客様の価格的安心感の訴求
  • 人件費問題の解消
  • 飲み放題にこだわりを持っているお店は少ない=マーケットが空いてるのでは?

この3つの検証をしつつ、飲み放題へのこだわりが日本一の店を目指してみようと思います。

さらに、こだわりのポイントとしては、

  • 製氷機の氷ではなく、BARで使用する純粋氷を使用
  • BARで使用されているお酒を使用
  • カクテルやお酒についての学科試験・実技試験を定期的に実施

にて、クオリティを維持していきます。

お酒が好きな人だけが集まる場所ではなく、これからのBARのあり方は、スナックとBARのハイブリットのようなイメージを持っています。

ブランドの構築は、長い時間がかかりますが、一つ一つ検証をしていき、どこかのタイミングで進捗を報告したいと思います。


【お知らせ】 この記事をご覧の皆様に、投稿者 福岡さんのお店「BAR DEEP」よりお知らせです。

飲食店の明日をご覧の皆様へ。
当店へご来店の際に、「記事を見たよ」とスタッフへ言っていただければ、最初の1時間の飲み放題料金を25%OFFにてご案内させていただきます。
福岡いらっしゃった折には、是非お立ち寄りください。

飲み放題の戦略

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