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#17. 失敗するマーケティング ビジネス上の「違和感」

飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。

「飲食店の明日」のコーナーで美味しいカクテルについて記事を書きました。(美味しいカクテルとは?)
その中で、「違和感」について言及しましたが、これはお酒だけではなく、昼間のビジネスの中にも往々して存在します。

たまたまですが、先日の記事でご紹介した石垣さん以外にも、各業界の第一線で活躍する方とお話やお仕事をさせていただく機会があり、その人達も同様のことを言及されています。

今回取り上げるテーマは、失敗するマーケティング活動に多く見受けられる

ビジネス上の「違和感」

についてです。

普段、仕事をしている中で、違和感を感じることはありますでしょうか?
同じ会社で働いているとその企業の社風や文化が当たり前になるので、なかなか気づきにくいかもしれません。

ビジネス上での違和感とは、

何かしら無理が生じている状態や、何かが上手くいっていない状態

のことで、

プロセス上に何か問題が出ている、その正体こそが違和感

であると考えています。

そして、瞬間的に無理をして問題を突破することはありますが、常用的に無理が生じている場合、それはプロセス(システム)に問題があると捉えています。

今回は、飲食業だけでなく、一般のビジネスにおける違和感の正体について解説していきます。

1.企業でよくある違和感の正体

色んな場面で違和感を感じることはありますが、企業でよくあるケースが、

言っていることとやっていることが、無意識的に矛盾が起きている

ことがよくあります。

綺麗な言葉で説明すると、経営戦略とそれを実行する戦術が連動していないとも言えると思います。

1-1.情報の届け方に違和感

例えを挙げるとキリが無いのですが、よくある話では、お客様への情報の届け方に違和感がある場合です。

具体的には、

  • 良い製品・商品を開発した。
  • 一度、利用して貰えれば、価値がわかる。これを消費者へ認知・訴求をしていきたい。
  • しかし、製品・商品の良さを説明するのに15分程度時間がかかる。

という、よくあるメーカーや飲食店等のよくありがちな例で、

「一度でも使っていただければ…、ご来店いただければ…。。。」の状態。

自分達が苦労して、完成させたという想いが強すぎるからこそ、違和感が生まれているのです。

この例では、

「製品・商品の良さを説明するのに15分程度時間がかかる」

というところに問題があります。

基本的に初見のお客様は、その商品や製品の特徴を一切知りません。

製品・商品説明が、ロジック上成立していたとしても、15分も説明に時間を要すれば、最初に聞いた話は、忘れてしまっています。
初めて製品・商品の特徴を聞いたお客様が、興味を持ったり、誰か簡単に説明できるようになっていないと、お客様は、良い製品だったとしても口コミをすることができません。

良い商品だったとしても、お客様が良い商品と認識・判断するのかどうかは別

なのです。

いわゆる「失敗するマーケティング活動の根本的な理由」の一つがここにあります。

1-2. 違和感を無くすために

このような違和感を無くすためには、

製品・商品の特徴を3分以内に説明する必要があり、その特徴を表現する適切なプレゼンテーション(コピーライティング)が重要

であるということです。

そしてそれは、営業・セールスでいうところの「ベネフィット」「ベネフィティングポイント」ということに近いと思いのかもしれません。

ベネフィット
※商品・サービスを活用することで、顧客ができるようになることを表すもの、ポイント

この違和感を取り除かない限り、いつまで経っても、「伝わらない」が続き、製品・商品を売っていく従業員にも負荷がかかります。
お客様も、難しく、よく理解ができない話を15分も聞かされるので、良いことが一つもありません。

違和感を無くしていくことで、人に伝わり、人が動くようになる
このようにどこかに発生している違和感を解消すれば、ビジネスも上手くいくと考えています。

違和感がない状態とは、ロジックが綺麗に整っていること

ですが、これは丁寧に説明すれば良いという訳ではありません。

先日のカクテルの記事でも書きましたが、「違和感がないカクテルは、美味しく、しかも、お客様が勝手に飲んでしまうもの」なので、結果的には売上に直結していきます。

伝わらないから、資料を作ろう!動画を作ろう!ではなく、

本質的に伝わらない理由は何なのかを見直すこと

が重要です。

イメージ的には、何かを積み上げるというより、洗練し、そぎ落とすという感じです。

特に、自社が製品・商品を生み出した場合は、その製品・商品が生まれるまでのプロセスを知っているが故に、「当たり前の感覚」がズレてきてしまいがちです。

正直、仕方がないことだと思いますが、「本質的にこれってズレてないかな?」と自問自答するクセが必要です。
そして必要に応じて専門家に依頼をし、コピーライティング的に人に伝わるような内容になっているのかを確認した方がベターです。

2.違和感を感じられるようになるためには?

違和感を取り除く作業は、視点を変えるとも言えるかもしれません。
今まで点で見ていたものを面で見たり、斜めから見たり…。。。

これだけをやっておけ!という答えはないのですが、やはり

業種・業界に捕らわれず、色んな人と交流を持つことが大切

です。

私の場合ですが、「ん?」とか「あれ?」って感じたことは、だいたいどこかで認識齟齬が起きるので、こういう感情を覚えた際は、必ず相手に確認を取るような癖をつけています。
おかげで少しは、プロジェクト推進上の事故は防げていると思います。

「あ、こういう捉え方するのか」
「この業界では、こう説明しているのか」

など、いわゆる「客観的視点」「多角的な視点」を持つということを、経験値的に学んでいくしかないと考えています。

当店もビジネス上の違和感を取り除けているのかと言われれば、そんなことはありません。
ですが、少しずつ違和感を取り除いていっている段階です。

次回は、実際に当店のWebサイト制作時に起きた事例で、解説したいと思います。


■筆者 : 福岡裕記の記事紹介

本サイト「飲食業の明日」コーナーにて、福岡裕記氏による記事の中から、飲食店の経営課題に関連する記事をピックアップしました。

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