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#06. 飲食店の人材教育「Z世代の人材について」

飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。


今回取り上げるテーマは、

飲食店の人材教育「Z世代の人材について」

です。

教育での悩みは、永遠のテーマです。
飲食店経営者からは、“怒ったら辞める“、“いつの間にか出勤しなくなる”、“指示を出しても理解が出来ていない”というような意見を良く聞きます。
また、近年はバイトテロ、SNSでの炎上等、社会問題になるケースもでてきております。
昼の一般企業でも、会話が成立しない、権利だけ主張をして仕事を全うしない等、教育上の悩みは尽きません。

当店での事例になりますが、「こういう観点で教育すれば上手くいった」というようなことを少しでもお伝えしていき、管理職・経営層にとって少しでも参考になればと思い、このテーマを取りあげました。

1. なぜ人材教育が重要なのか

以前(#03. 閉店があとを絶たない飲食店 その理由)でも取りあげましたが、経営層が勉強をして、部下をしっかり教育をしないことが、飲食店を取り巻く、様々な負のループを生み出しています。

一昔までは、「見て覚えろ」という教育しているようでしていないOJTがありましたが、今はそういう時代ではありません。その場しのぎで作業だけを教えるだけでは、その部下の成長にも繋がりませんし、教育を疎かにした結果、一人で経営することになり、現場が回らず、お客様の期待を裏切り、閉店していったという店もあります。

逆にいえば、

教育をしていくことで、売上も伸び、優秀な人材が入ってくるという良いループ

を作り出すこともできます。

飲食店の場合、他業界と比較して自動化、IT化しにくく、人が関与する業務が多く残っています。
だからこそ、人材育成が重要だと考えています。

これからを担うZ世代がどういう特徴があるのか?
まずは、「相手を知る」というところから始めていく必要があります。

2. 相手を知る「Z世代の特徴と傾向」

今回は、おさらい的にZ世代がどういう世代なのか等をご説明いたします。

2-1.Z世代とは?

  • 1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代。※2023年現在12歳~28歳前後の年齢層
  • デジタルネイティブ、SNSネイティブとも呼ばれる。
  • タイムパフォーマンス重視の効率主義、強い仲間志向、仕事よりプライベート重視、多様性を重んじるなど、従来の若者以上に特徴的な価値観がある。

各世代の一般的な定義

※引用元:株式会社野村総合研究所

2-2. Z世代の特徴と傾向

一般的に言われているZ世代の特徴は、下記の通り。

  • 保守的な価値感から、失敗したくない意識が強い。
  • 自分が好きなヒト・コト・モノには、お金をつぎ込む。商品の聖域「推し」が存在。
  • コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスに敏感。
  • 体験した内容を、Web上で共有していくことがデフォルト。
  • 曖昧かつ属人的な指示や「普通はこうだろう」のような暗黙の了解、気落ちを推し量ることが苦手。

この記事をご覧になられている皆様の店舗や会社にもZ世代の正社員・アルバイトがいると思いますが、この特徴に当てはまっていますでしょうか?

この特徴を見ても、デジタル化・IT化が進んでたことによる時代の影響はかなり大きく、本来メリットであることが、デメリットになってしまっているということも、少なくないように感じます。
特に、時代背景的にも個人を尊重しすぎて、協調性や一般常識等を学びにくい環境で育った世代だと私は見ています。

それが故に、40代、50代の世代の人達から、

  • Z世代は話が通じない。
  • 宇宙人と話をしてるように感じる。

と言われてしまう要因の一つだと思います。
全員がそうだというわけではないですが、往々にしてそういう傾向があります。

3. ジェネレーションギャップがもたらすもの

筆者の私は、ギリギリ昭和生まれで、昔ながらの体育会系で育ちました。
各世代の一般的な定義でも、ちょうど真ん中に位置する世代です。

昭和後期・平成初期の時代は、無いものがあった時代ですが、今は無いもの無い時代になり、「こんなものがあったらいいなーと」想像したものは、インターネットで探せば、何でも見つかる時代になっています。

ここ10年、20年で全てがあまりにも大きく変わりすぎた為、「普通はこうだろう」という会話における前提条件的なことがズレている実態があると、私は考えています。

当然、ジェネレーションギャップによるコミュニケーションの理解のズレ、常識の観点の違いが、飲食店の経営に影響をもたらします。

例えば、

  • ミスをしたことに対して、指導をしたことがパワハラになる。
  • 教えて貰っているにも関わらず、メモを取る気が無い。
  • 指示をされた内容通りに動くが、それ以外のことができない(行動に根拠がない)
  • 注意をすると、すぐ辞める。
  • 突然、出勤しなくなり、お客様対応に支障が出る。 等

次回は、当店に応募してくるZ世代のより生々しい実態と、何百人も面接をしてきて見えてきたZ世代とのコミュニケーションの取り方について解説していきます。


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