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#03. 閉店があとを絶たない飲食店 その理由(飲食店の負のループ)

飲食店の閉店負のループ

飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。

テーマについて

今回取り上げるテーマは

閉店があとを絶たない飲食店 その理由の1つに飲食店の負のループがある

ということ。具体的には、

いつまでも経営を勉強せずに店舗を経営する飲食店経営者と、
その下で働き、現場を回すことを経営と勘違いして独立開業する従業員の負のループ

ということです。

1. 現状 (飲食店の負のループ どのような状況なのか)

テーマ通りですが、わかりやすいよくある事例でいうと、

  • 人気の飲食店に勤務。
  • 業界全般的に現場たたき上げ・職人あがりの先輩が多い為、接客・料理やお酒の技術的なものしか教育されない。
  • 同業同士で仲良くする傾向があり他店との交流も多く、一部村社会のようなビジネスも生まれはじめる。
  • お客様や同業からの認知度があがる。
  • 人手不足の業界の為、早い段階で店長や料理長になる。
  • 業務に慣れ、現場作業を上手くコントロールできるようになると、独立開業した方が自分の好き勝手にやれて、給与・報酬が貰えると勘違いをはじめる。
  • 出身店舗と類似の店舗を開業し、顧客の奪い合いが発生。
  • 開業当初は勢いがあるものの徐々に勢いを失い、村社会ビジネスに頼ることになる。
  • 村社会ビジネスも破綻し、経営的に立ち行かなくなり閉店。

という流れです。
この飲食店の負のループは、飲食の内容、業態は違えども同じようなケースは多いのです。

2.問題点の整理 (どこに問題があるのか)

この飲食店の負のループの問題点は、大きく以下の二つの要因です。

2-1. 飲食店経営者の問題

  • 現場を回すこと以外の経験・知識がない。
  • また必要性を感じていないので、勉強をするつもりもない。
  • 結果、従業員に教えることができない。
  • 仮に経営を学べるようなタイミングがあったとしても、話を聞こうともしない。

2-2.飲食店従業員の問題

  • 現場を回すこと以外の知識が必要ということを知らない・気付けない。
  • 知ろうとしても教えてくれる人がいない。
  • 結果的に、経営は経理だけ知ってればできると勘違い

この二つの要因が負のループを生み出す要因となっています。

つまり、

多くの飲食店経営者と従業員は、営業時間中にお客様を満足させること以外の経営に関する色々な業務を知らないまま経営をしているということ

が一番の問題なのです。

飲食店の閉店

3.問題解決に向けて(この負のループを抜け出す方法とは?)

多くの飲食店が、この負のループを抜け出すことは容易ではありません。

要素が多すぎ多岐に渡り、どのようにまとめていけば難しいところですが、間違いなく言えることは以下の点

  • 飲食店経営者が経営について勉強不足であるということ
  • 経営層同士で高め合うような文化がなく、話を聞こうとしない人が多すぎること

特に後者の方が厄介で、仲が良さそうに見えて、実は当たり障りのない表面上の付き合いをしているお店は少なくありません。
自分が好き勝手にやっているお店なので、人から干渉されたくないからでしょう。

「自分のお店なので、自分の好き勝手にやって何が悪い!」

全くもってその通りなのですが、同業やお客様からの前向きなアドバイスにも耳を傾けようとしない人が多いことは、問題だと思っています。
何でもかんでも聞き入れろ!というわけではありません。

ですが、

そのアドバイスがロジカルなアドバイスであれば、自分に何らか役立つかもしれないという視点で、一度しっかり聞いてみるところから始めてみる

ことが重要です。

3-1. 一般企業のケース

私が知る限り一般企業の場合、お互いパートナーとなりうる経営層同士で意見交換をしたり、中小企業経営者向けの講習会へ参加したり、外部コンサルタントからアドバイスを貰うなりして、お互い気づきや学びを得る活動をしています。

異業種の経営者同士の雑談もかなり重要で、定期的に意見交換や情報のアップデートをすることで、上手く言語化できなかったことが言語化できるようになったり、頭の中が整理されたりと、目に見えない付加価値がそこにあります。

さらに新規商品開発や社内人事制度、マネジメント手法など、他の企業の事例やヒントを得て実践している会社も多々あります。

つまり、

飲食店も異業種の経営層と交流を増やし、インプット情報が増えた状態で、
俯瞰して物事を判断できるようになること

そしてそのような場で

インプットした刺激となる内容を自分の経営に色々な形で落とし込み、
具体的に従業員の育成やマネジメントに活かしていく

ことが重要なのです。

飲食店の閉店を回避する経営の勉強

3-2.当店のケース

私の場合も、「どうやったら、失敗しないのか?」「こうやれば、上手くいく」というようなアドバイスは無く起業、開店しました。
少なくとも私の周りでは、マーケティングの観点等一つのプロセスや軸を持った人がおらず、経験と勘で営業している飲食店オーナーがほとんどでした。
結果、相談ができる先輩がいないという状態でしたが、

「経営することとはどういうことなのか?」「経営者になるとはどういうことなのか?」を学ぶ必要があると認識し、色々な方の話を伺ったり講習に参加し様々な情報をインプット

さらに、現在も、マーケティングのセミナーを受けたり、学校に通ったりと手探りながらも経営に関する様々な勉強を続けています。

当店も大成功しているわけではありませんが、まず
「なぜ上手くいかないのか、なぜ上手くいくのか」をできるだけ体系立てて、人に説明できるようになりました。もちろん、従業員と話をする際も、そのことを踏まえたうえで指導、育成を行っています。

そして少なくとも、
従業員達は、日々の私との会話や定例ミーティングを通して「お客様対応だけでない経営とは何か」を認識してきています。

まとめ

「経営側の経営を学ぶことに対する意識の欠如」と「その下で働く従業員の知識や学ぶ機会の損失」が、飲食店の閉店と言う負のループを生み出していることは間違いありません。

経営者自らが自店の経営について、様々な視点「学び」を取り入れ、俯瞰して物事を判断できるようになること。そしてその観点から従業員を「単なる人的リソース」としてではなく、「共に経営しているスタッフ」として日々接し育成していくことが重要

なのです。


もし、飲食店を開業したい、何か相談したいという人がいましたら、気軽に相談していただければと思います。
(※ご相談の際は、fukuhashi0101@fukuhashi.jp まで)


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