前回の続きとなります。
まだ前回の記事をご覧になられていない方は、「バーテンダーが普段言わない本当のところ〜ウイスキーの飲み方(ロック編vol.1)~」をご覧ください。
実際のところ、ロックで飲むってどうなの?
ロックで飲むということについて、ぶっちゃけどう思うのか?というと、単なる粋やかっこつけです(笑)。
味わいだけに焦点を当てた場合、以前の記事で書いた通りプロは、どんなウイスキーもストレートで飲みます。
※実際、ウイスキーの香りを嗅覚で感じようとしても、氷の温度はマイナスなので、香り成分が冷えている方に(氷)に引っ張られて感じにくいです。香りが閉じるとも言われます。
とは言え、ウイスキーは嗜好品で、気持ちよく飲むことが一番の正解です。
なので、思う存分カッコつけて飲んでください。
ここから先が更なるぶっちゃけ話になりますが、
まず、ロックで提供した時に、氷が丸いせいか良く氷を指で触りながら(回しながら)、飲むお客様がいらっしゃいます。回したくなる気持ちもわからなくはないですが、単純に衛生的に汚いので、辞めた方が良いです(笑)。
あとよく丸氷は、「(氷の)表面積が小さいから溶けにくい」と言われますが、実際には、間違っています。
「四角(立方体)に削り出した氷より、丸い氷の方が表面積は少ない」ということは事実ですが、グラスに氷を入れた場合、ウイスキーと氷が触れる面積は、丸氷の方が大きいので早く溶けます。
バーで使える小ネタの一つなので、是非使ってみてください(笑)。
また丸氷やダイヤモンドに切り出す氷ですが、ほとんどの店では、氷屋さんから購入した大きなブロック氷から、バーテンダーが削って作っています。
丸氷は、アイスピックで地道に削っていきます。
これが見習いの時の登竜門と言っても過言ではありません。
全然丸くならないんです…。
しかも、時間が経てば経つほど氷は溶け、削る場所が増えれば増えるほど、氷は小さくなるという…(笑)。
アイスピックで概ね丸くなったら水滴をつけた指先で、丸くなりきれていない箇所を少しずつ丸くしていきます。
丸氷を作るのが上手な人の場合、1分程度で完成させることができます。
一般的なバーテンダーでも3分くらいで1個、丸氷を作ることができると思います。
丸氷は、街の氷屋さんに相談すれば、一般のお客様でも購入可能です。
首都圏等、地域で値段は変わってくると思いますが、60円〜80円/個くらいで購入できます。
前回の記事でも書きましたが、氷を仕入れた場合、約100円コストがかかるので、丸氷やダイヤモンドカットの場合、氷代として+100円〜200円加算されるというロジックになります。
実際、四角の氷からアイスピックで削り出す人件費や労務費を考慮すると、氷屋さんで購入する方が安価ですが、お店で使用しているロックグラスとサイズ感が合わないという理由で、自作している店が多いのが現状です。
飲みにくければ、ハーフロックに変更も
ロックで飲んだとしても、「ちょっとアルコールが強く感じるな…」という時は、バーテンダーへハーフロックに変更して貰えますか?と相談してみてください。
ハーフロックは、ロックの時に注いだ量と同量の水を入れて提供するスタイルになります。
なので、味わいとしては、水割りよりは濃く、ロックより薄くなり、味わいがまろやかになります。
ハーフロックで注文することはあまりないと思いますが、ウイスキーの楽しみ方として、こういう飲み方もあります。
最後に超主観的な意見ですが、
1万円〜2万円/本くらいの価格帯のウイスキーまでだったら、ロックで飲むこともアリかなとは思います。やはり、2万円/本以上の希少なウイスキーについては、ストレートで飲む方をオススメします。
ロックで飲む場合のオススメのウイスキーですが、正直、好みなので正解はありません。
その上でプロとして助言をする場合、氷で溶かしながら飲むので、
- 変化量が大きく、長い時間楽しめる、比較的アルコール度数が高いウイスキー。
- 香りが開いてくるのを感じられる燻製のような香りがする、香りや味わいに特徴があるウイスキー。
が良いかなと思います。
- は、以前にも記事「バーテンダーが普段言わない本当のところ〜ウイスキーの飲み方(ストレート編vo.1)~」に書きましたが、「カスクストレングス」というタイプのウイスキーで、
- は、ラフロイグというスコットランドのウイスキー等が代表的なウイスキーになります。(下記参照)
ロックで飲むことについて若干否定的なことを書いておりますが、グラスを傾けた際の「カラン…」という音を立てながら飲むと、やっぱりカッコいいと思います。
例えば、キャンプで「たき火をしながら、ロックで飲む」なんてことも素敵ですよね。
是非、粋りながら、かっこつけながら、ロックでウイスキーを楽しんでみてください。
おススメのシリーズ
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