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「わたし、ゴスペルOLになりました」| パラレルワークのススメ 第1回

若い頃は「夢を仕事に、好きなことを仕事に!」と思った人は多いことでしょう。でもそれを実現している人はごくわずかです。
しかし現代は大手企業でも副業アリの時代。多くがひとつのビジネスに依存しない働き方、同時並行でビジネスをする「パラレルワーク」にトライしています。
事務職のOLをしながらゴスペルシンガーで活躍している橋沢 みさこさん。
どのようにして好きなことを仕事にできたのか? 彼女のパラレルワーク実現についてシリーズでお届けします。(編集部)


就職氷河期の私が好きなことも仕事に !

『売り手市場』ー新卒採用の就職活動において、ほんのつい先日まで言われていた言葉です。(コロナの影響で一気に状況は変わってしまいましたが)
この言葉を聞くと「好きなこと、やりたいことを軸に就職活動をして、入社してくる今の若者は恵まれてるよね」と、ちょっとだけ羨ましく感じていたのが現在30・40代の現役バリバリの会社員の皆さんではないでしょうか?

30・40代の皆さんが就職活動をしていた時は『就職氷河期』の真っ只中!
好きなことなんて夢みたいなこと言ってられない!一社でも内定が出れば御の字!内定が出なかったから大学院進学…。そんな考え方が当たり前の状況でした。

私自身もそんな時代の波に翻弄され、「歌を歌っていきたい!」という夢がありながらも某食品メーカーに事務職として奇跡の一社だけ内定を出していただき、新卒採用で社会人デビューを果たした一人です。
でも私の場合は夢見る夢子ちゃんだったのが功を奏したのか(?)入社して3年後に”ゴスペル”というフィールドで「歌を歌う」というお仕事も手に入れるチャンスを掴み、好きを仕事に!
けれどそこで会社員を手放したのかと思いきや、パラレルワーカーという道を歩み始めます。

今日から4回にわたってお届けするのは、そんな就職氷河期に社会人キャリアをスタートさせたOLが、会社員のままで歌を歌う仕事も手に入れて、「好きなことを仕事にするという夢みたいだったこと」を実現したリアルパラレルワーカーのストーリーです。

好きなことを仕事にしたい、パラレルワークに興味がある、そんな皆さんに
「趣味を仕事にする方法」
「辞めないままで好きなことを仕事にする方法」

のポイントも交えながら、パラレルワークのすすめをお伝えしていきますので、参考にしていただければと思います。

夢と現実

実は私、就職氷河期で就活が大変! と言っておきながら、大学4年生当時は就職活動をほとんどしていませんでした。それというのも「歌を歌う人になりたかったから」。
なので周りの仲間たちがリクルートスーツで頑張っているのを横目に、卒論とバイト、歌の練習に日々を費やしていました。

ところがそんな大学4年生の夏、父親が持病の悪化で一時意識不明状態になったんです。生死の境を彷徨う父の持病の悪化の原因の一つにストレスも挙げられると聞いて「私、就職しないなんて言って絶対心配かけてるよな、ストレスを与えてるよな」と思いました。私立高校・私立大学と通わせてもらっていながら、就職はしない!フリーターで音楽活動するなんて親不孝もいいところです(苦笑)そこで私は「就職して安心させよう。せめて自分の生活だけは自分で面倒見れるようにしよう、親には私のことは心配しなくて大丈夫って言える状況をとりあえず作ろう。」と密かに決意しました。※ちなみに父は奇跡的に回復し、現在も元気にしております。

出遅れているのにワガママな就職活動

決意したら行動は早い!友達が就職活動をほぼ終えている状態の8月から突如就職活動を開始。たいそう出遅れている上に、就活に必要な自己分析やら面接対策やらも全くしていなかった私ですが、それにも関わらずエントリーする会社を選り好みしていました。
その時、選ぶ基準になっていたのが
お付き合いや出張が多いと音楽活動がしにくいから営業はやりたくない
残業したら音楽活動に支障が出そうだから、スケジュールが読みやすそうな内勤・ルーティーンワークの事務を希望
休日出勤も音楽活動に支障が出そうだから無しが良い
出遅れた就活生の分際で、社会人をナメてますよね、しかも就職氷河期!
けれど当時の私はもう一つあることを思っていました。

知らないことは最強?

就活で会社情報を見ていると3年目から退職金がもらえるところが多かったので、とりあえず入社したら3年は働いて、退職金もらって辞めよう(で、音楽活動に専念しよう)という魂胆だったんです。採用されるかどうかも分からないのに辞める時期を内心では決めていた!なんとも浅はかで社会のことが何も分かっていない大学生だったな、と我ながら思います。そして今となっては3年で辞めてもらえる退職金なんて雀の涙ほどの金額だよ、と分かりますが(苦笑)

ですがある意味『知らない』って最強、そして『決める』って最強です!
なぜか最終的に土日休みの食品メーカーに事務職で採用!全ての希望が満たされた形で私の就職活動はわずか3ヶ月で終了しました。当時、大学の友達には「ムカつくわー」って言われたなぁ(笑)


ここで私が思うパラレルワーク実現のポイントです!

パラレルワークで好きなことも仕事にするためのポイント

Point①:『決める』が先、方法は後で

そしてこの『決める』ということこそが、実は振り返ってみるとパラレルワークを始める上で一つ目のポイントになっていたなと思います。
就職先も決まっていない、歌だって歌える場所が確保されているわけでもない。何をどうやってやるのか、方法もアテもなかったけれど「とにかく就職するんだ、そして音楽活動もするんだ!」ということだけはとにかく「決めた」んです。
私の場合は当時の段階ではそれを『パラレルワーク』と認識はしていませんでしたが(笑)

なのでパラレルワークをしたいと思っている人は、どうやってパラレルワークをするか、なんて方法を考えるよりもまずは「パラレルワークをすると決める」ということが大事だと思います。

Point②:全てに100%ではなく優先順位を変えてバランスをとる

そんなわけで新卒として無事に社会人デビューを果たし、同期という心強い仲間とともに会社員生活を始めます。初めてのことしか起きないであろうことだけは、さすがの私も想像がついたので(笑)この時だけは2年ほど通っていたボイストレーニングを一時的にお休みして、まずは会社員としての仕事に慣れることに集中することにしました。

読みは的中!知らないことしかない状況、大学時代にはなかった早起きと規則正しい生活(笑)そしてなんと!そんな右も左も分からない新入社員なのに、同じ課にたった一人だけいた事務職の先輩が、私の配属後わずか1ヶ月で退職し、入社2ヶ月目にして私は全ての事務業務を一人で請け負うことに。自分が何の仕事をしているのか全く分からないまま、いつまでたっても終わらない業務に追われ毎日21時過ぎまで残業する生活に突入しました。

「残業は嫌だ!話が違う!」と思ったに違いない、と思いますよね? でも実際はそんなことを考える余裕もありませんでした。それほど毎日、ひたすら目の前の仕事に追われる日々を過ごしていたのです。歌のことを考える暇もありません。ですが振り返ってみればこれこそがパラレワークの2つ目のポイントだったんです。

『優先順位を潔く変える』というバランス力が、後々のパラレルワーカーな生活でも活きています。どちらに対しても常に100%じゃなくていい。現実の状況を見て、やるべきことの優先順位をこまめに入れ替え、自分の中で上手くバランスをとることで、その後も複数のキャリアを成立させていけるようになりました。

歌のことに思考を回せるようになったのは2年目に入ってから。
次回は歌の再開そして仕事との両立方法について書いていきます!


(編集部)
好きなことも同時並行で仕事にできた橋沢さん。「やると決める」ということが大事だと言います。ずっと迷っているのではなく、やると決める。意外にできないことかもしれませんね。

※日本では「パラレルワーク」という言葉が浸透していますが、※経営学者・ピータードラッカーが著書『明日を支配するもの』の中で提唱したパラレルキャリア(本業を持ちながら、第二の活動をすること)と同義と捉えられます。

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