前回の続き。どうすることもできずに深夜になってしまう。
伸宏
「あの日 この箱から突然出てきたんだよな YUNAMON」
「わたし パパがまたネットで変なもの頼んだのかと思ったのよ」
「ハハハ」
「梅干しが大好きでね」
「おかげで冷蔵庫の中は 梅干しでいっぱいだ」
「学校での出来事もたくさん聞かせてくれたな」
「ママが戸棚に隠してたみたらし団子を 見つけて二人で食べたな」
「一緒に料理もしたな」
「ママの部屋を探索して 引き出しから昔の写真を見つけて二人で大笑いしたな」
「ピクニックにも行ったよね」
「ママのクローゼットから見たことのないチャイナドレスを二人で発見して あまりのスリットの長さにいつ着てるだろうって不安に駆られたりしたな」
「ちょっと!! 勝手に二人で何してたの!!!」
「いやいや」
「楽しかったな」
「また3人で出掛けようって 約束したのにな」
「うん 約束したね」
(動かないYUNAMONを見つめながら、)「どこへ行っちゃった行っちゃたんだよ YUNAMON」
「Where’s YUNAMON? YUNAMONはどこ?」
「そうだよ Where’s YUNAMON? YUNAMONはどこ? Where’s YUNAMON?」
動かないYUNAMONを見て、
「あれ 今笑った?」
「いや 気のせいだよ」
「そうよね」
「そんなわけないさ」
「YUNAMON」
「YUNAMONを失ったボクたちは どうすればいいかわからなくなっていた あの電話が来るまでは」
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