第５回名詞と代名詞の違い / あなたは英語の形容詞と副詞の違いが説明できますか？　

06/11/2024

(編集部より)
長年「英語が大嫌い」な大学生や社会人を数多く指導してきた高橋基治先生の著書「あなたは英語の形容詞と副詞の違いが説明できますか？〜英語が大嫌いなビジネスパーソンの皆さんが、最初に読む英文法の本〜」の一部を、本人了承のもと、数回に渡ってシリーズでご紹介します。
第５回は、名詞と代名詞の違いについてです。

「あなたは英語の形容詞と副詞の違いが説明できますか？〜英語が大嫌いなビジネスパーソンの皆さんが、最初に読む英文法の本〜」の詳細はこちら

名詞と代名詞の違い

名詞は、人やものにつけられた名前でしたね。(第３回　名詞とはを参照)
名前がよく似ていますが、代名詞というのもあります。その名のとおり、名詞の代わりに人やものを指し示すことばです。

覚えよう！　英語のルール（６）
代名詞とは、名詞の代わりに人やものを指し示すことば

たとえば野球について話しているときに、「イチローが……、イチローが……」と同じ名前を繰り返すとしつこく感じませんか？

たとえば、
A: I saw Ichiro on TV last night. Do you know Ichiro?
（昨日の夜さ、テレビでイチロー見たんだよ。イチロー知ってる？）
B: Of course, I like Ichiro. Ichiro was born in Aichi prefecture and Ichiro has an older brother and…….
（もちろん、イチロー好きさ。イチローは愛知県で生まれて、お兄さんがいて……）

こんな感じです。じつは、英語は日本語以上に同じ単語を何度も繰り返し使うことを極端に嫌うんです。そこで、代名詞の出番です。上の会話で代名詞を使うと、

A: I saw Ichiro on TV last night. Do you know him?
B: Of course, I like Ichiro. He was born in Aichi prefecture and he has an older brother and…….

のように、すっきりとします。名詞の繰り返しを避ける。これが代名詞の主な働きです。

ショートコラム「代名詞で大切なのは、文のどの場所で使うか」
代名詞で大切なのは、文のどこで使うかで形を変えるということなんです。
例えばhe^※を例にとると、heが使えるのは、
He is a good communicator.
（彼はコミュニケーション能力が高いよね。）
のようなときだけです。動詞のあとに続ける場合は
I know him.
（彼、知っているよ。）
というようにhimという形にします。また「彼のスマホ」のように名詞の前に置くときはhis smartphoneのようにhisという形になります。
※中学校で習った、男性ひとりならhe（彼）、女性ひとりならshe（彼女）、2人以上、つまり複数いればthey（彼ら/彼女ら）です。また、自分ひとりならI、複数ならwe（私たち）となり、ものであればit（それ）になります。

なお代名詞には、このように人を表すものと、this（これ）とthat（あれ）と具体的なものや人を指すものもあります。

話し手の心理的に距離が近ければthis PC（このパソコン）、遠ければthat PC（あのパソコン）という風に、名詞の前につけます。
１つではなく２つ以上の複数あるときはthese PCs（これらのパソコン）、遠ければthose PCs（あれらのパソコン）のように、these（これら）、those（あれら）に変わります。

・離陸前の飛行機で
Excuse me, but this is my seat.
（すいません。ここは私の席ですが）

・ツアー客の質問
What’s that tall building?
（あの高い建物は何ですか？）

・コンサート会場の案内にて
These seats are all reserved.
（これらの席はすべて予約済です）

・東名高速のインター休憩所で
Look at those supercars! So cool!
（あれらのスーパーカーを見て！→あそこのスーパーカー見て！　めっちゃかっこいいー！）

（注：本書では、いわゆる「翻訳調」の訳については、矢印→を使って自然な日本語に直しています。）

名詞と代名詞の違い、わかりましたか？　代名詞とは「彼」「それ」や「これ」「それら」など名詞の繰り返しを避けるため、代わりに人やものを指し示すことばです。

次回は、be動詞と一般動詞とは(前編)　です。