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韓国ウイスキー蒸留所 スリーソサエティーズ編(5)

ウイスキージャーナリスト住吉祐一郎氏による韓国初モルトウイスキー蒸留所「スリーソサエティーズ」のレポートを、実際の取材映像と住吉氏の取材記でお届けします。(編集部)

住吉祐一郎の蒸留所訪問 韓国スリーソサエティーズ編(5)

国際的なウイスキージャーナリスト住吉祐一郎氏による
韓国初となるウイスキー蒸留所『スリーソサエティーズ』のレポートシリーズ(5)です。

この動画では、マーケティング スペシャリストであるユービン・キムさんにインタビューしながら

  • 糖化槽について
  • 樽詰庫と、そこでの試飲

を紹介していきます。

住吉氏の取材記も併せてご覧ください。

動画は音量0でもご覧いただけます。

住吉祐一郎の取材記(5)

 スリーソサエティーズの蒸留塔内は、清潔&簡潔に造られています。入口のドアを開けると正面に2基の蒸留器があり、右手にステンレス製の糖化槽1基とモルトミル、左手にステンレス製の糖化槽4基があります。

 蒸留器の真上の天井は、キルン(麦芽乾燥塔)のような形になっています。建物を外から見るとまさしくキルンなのですが、実際には換気塔となっていて、夏場や冬場には空気の入れ替えを行い、温度調整をしているそうです。また、天井にはガラスがはめ込まれていて日光が入るため、塔内はとても明るいのです。床は網目の鉄板で出来ていて、真下には麦芽のフレコンバッグが所狭しと並べられているのが見えます。
 
 階段で下の階に降りると、糖化槽や発酵槽、蒸留器を下から眺めることができます。無数の配管が走っていて、それぞれがどのように繋がっているのかを見ることができるので、とても興味深いところです。また、下からも上階が見えるため、光が差し込みとても明るく、倉庫にありがちな陰湿な空気感はまったく感じられませんでした。

 スリーソサエティーズのフィリングステーション(樽詰庫)へ移動すると、多くの樽が熟成されていました。ここはシャンド氏の実験室も兼ねていて、試飲させてもらったニューメイクスピリッツは、蒸留塔で飲ませてもらったものとは異なるものでした。アルコール度数の高いもの(73~74度)でしたが、飲んでみるととても円やか。アルコールが70度以上もあるとはとても思えません。しかもフルーティで飲みやすいのです。角のない、バランスが取れた感じです。他にも何種類か飲ませてもらったのですが、酸味や余韻、舌の上での広がりなどはそれぞれに異なっていましたが、味わいに丸みがある点はすべてに共通でした。

 僕はこれらのニューメイクスピリッツを飲んで、シャンド氏が言っていた原酒の造り分けの意味がなんとなく理解できた気がしました。樽に入れる前の状態でさえこれほどの違いがあるのだから、この個性豊かなスピリッツを種類の異なる樽に入れて熟成させたら…。う~ん、想像力をそれほど働かせなくても、非常に個性豊かなウイスキーが出来上がるだろうことは自明でしょう。樽で熟成させたものを飲むことに対する期待感が、ますます高まってきました。


韓国ウイスキー蒸留所 スリーソサエティーズ編(6)では、樽の入れ替えについて、倉庫の紹介と建設予定について、そして現在の従業員について、紹介していきます。

住吉祐一郎さんのインタビューも是非ご覧ください。


住吉祐一郎氏の書籍紹介

ウイスキーに、誘われて
〜英語で旅するバーテンダー(ニュージーランド・カードローナ蒸留所編)〜

住吉 祐一郎/著  近藤淳司/編集 

プラグインアーツパブリッシング
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