これからの飲食店に求められる視点

顧客接点の変化

年末に接待関連で中洲のクラブへ行った時に、その店のママが「12月だけど今年は、どこのクラブも客足が遠のいているみたい」と話をしていました。
そこで今回は、お店とお客様との接点の変化について書きたいと思います。

コロナ前には戻らない

コロナ禍で世の中全体が不景気になり、皆様ご存じの通り、外食産業も大きな影響を受けました。具体的に言えば、

経費・コスト的な話では…

  • 原価の高騰
  • 人件費の高騰
  • 増税
  • 固定費の高騰

等、利益を圧迫する仕入れ先等からの値上げ相談は、日常茶飯事で起きています。

また外部環境的な話では、

  • 感染リスク等から、会食そのものが気軽なものではなくなった
  • 会社経費で飲み回っていたサラリーマンが、経費を使えなくなった
  • コロナ禍でも楽しめる趣味を見つけた
  • 家飲みで満足するようになった

等、人と会うためには付加価値や理由が必要となったように感じています。

要するに、今までと何も変わらない状態で経営をした場合、店舗側からすると
経費は増え、今のマーケットは縮小傾向にある」ということになります。

価格転嫁で商品単価を値上げしている店もなくはないですが、仕入・経費関係で上がったコスト分を吸収できるような値上げをしている店は、ほとんどない印象があります。

この価格の据え置きを、世間的には「良心的」と褒められることがありますが、経営の実態は、緩やかに右肩下がりになっているだけで何も改善していません。
良心だけでは、経営はできない=雇用を誰も守れないということに直結しています。

「今はこんなご時世だしね。もっとコロナ禍が落ち着いたら…」と時代の変化(コロナ前に戻ること)を待っている発言をよく聞きますが、一般企業でリモート会議が定着したように、完全にコロナ前の世界に戻ることはないと思います。

お客様との接点(顧客接点)の変化

外食産業も大きく分けると、『食事メイン』と『お酒メイン』に分けられると思います。

食事メインのお店の場合、Uber Eatsや出前館等の宅配サービスやECサイトでのオンライン販売等、対面以外でのお客様との接点が増えてきています。
※実際に実店舗の売上より、ECサイトやUber Eatsの売上が高いという店も聞いたことがあります。

一方でお酒メインの店は、どうでしょうか?
食事メインの店の場合、食材の産地が同じだったとしても秘伝のタレ等、何かしたらオリジナリティが出せますが、お酒メインの店の場合、取扱している酒類そのものはどこも似ているものが多く、スーパーでも購入が可能だったりすることも少なくありません。
なので、対面以外でのお客様の体験価値が作りにくい業態だと考えています。
※逆を言えば、対面の場合、最高の体験ができるとも捉えられるかもしれません。

なぜそれでも店を続けていけるのか?

飲食店の多くは、個人事業主で1人もしくは、数人で運営している為、いわゆる「どんぶり勘定」の店が多く、右肩に下がっていても気づきにくいという観点があると感じています。

特にお酒メインのお店は、「水商売」と言われるように、瞬間的な売上げはすさまじいものがあります。

キャッシュレスが普及してきたとは言え、請求書等を送付するレアケースを除けば、クレジットカードの場合、1週間や翌日には入金されることがあるので、行き当たりばったりに近い形で運営している店も少なくないと思います。

また良い意味でも悪い意味でも、九州は特に地域性が強いです。
「共通の知り合いが多い」等、人と人との距離が近い等、良いところはたくさんありますが、悪い意味では「なぜ(あなたの)店に飲みにきているのに、うちの店に飲みにこない?」等、人と人との距離感が近すぎる故の問題もあります。

「同業同士がお金を使いあう+お客様の紹介がビジネスの根幹になっている店も多い。」
これも福岡県の飲食店が緩やかに右肩下がりになっている一つの要因だと思っています。

実際、今後、人件費やお酒の仕入れ等の経費的なことは下がることはないことを考えると、やはりマーケットを広げていく目線を持たないと業界として先細りしていくと思います。

お客様に伝えたい情報と発信

同じ外食産業でも、食べる行為(生命維持)と飲む行為(娯楽・嗜好品)は、意味合いが違います。

例えば、YouTubeで「バーテンダー」と検索しても、再生回数が回っている動画は、氷を削るASMR的な動画だったり、食事をメインにしている飲食店とのSNS上でのニーズは、違うところにあると思います。

私も未だに答えは出ていませんが、お酒メインのお店の対面以外での顧客接点の見直しは必要不可欠で、もしかすると、私達の中では当たり前になっていることが、お客様が知りたい内容なのかもしれません。

Instagram等の無料のSNSで投稿をしているお店は多くありますが、YouTubeの氷を削る動画のように、お客様が求めている情報と店舗が発信している情報に差異があるように感じています。
「無料だから活用している」のではなく、実店舗の備品や食材に投資をするように、SNSやWeb上での店舗への投資(専門家のアドバイス等)も必要な時期にきていると感じています。

「是非、一度行ってみたい」と思ってもらえる情報。
お酒や料理の画像、割引やクーポンなど、飲食店検索サイトで見られるどのお店でも同じようなものではなく、そのお店独自のもの。
バーテンダーの技術やお酒のウンチクでは無いお店の魅力をもう一度見直して、メディアを上手く活用して発信していくことが重要だと思います。

新規お客様集客、顧客づくりに繫げる為にどのような情報を出していくのかは、また別の機会にお話しできればと思います。


顧客接点の変化

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