MENU

#18. 失敗するマーケティング ビジネス上の「違和感」vol.2

飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。

前回の記事「#17. 失敗するマーケティング ビジネス上の違和感」では、ビジネス上で起きる違和感の正体とその解決方法について解説いたしました。

今回のテーマは

お客様目線での商品紹介

です。

自社Webサイトは様々な目的があるものの、飲食店においては、対お客様への安心感や商品紹介等に活用しているケースがほとんどだと思います。
自分達が伝えたい「こだわり」が必ずしも、お客様が「これを飲んでみたい、食べてみたい」という行動にまで繋がるのかどうかは別の話です。

「自分達が苦労して、完成させたという想いが強すぎるからこそ、生まれてしまう違和感」

について、当店のWebサイトのリニューアル時の事例を基に「伝え方の違い・伝わり方の違い」をご紹介いたします。

1. 飲食店からの情報とお客様視点とのギャップ

以前の記事でも解説しましたが、Webサイトは、Webサイト制作者に丸投げするものではありません。
あくまでも、発注者側が伝えたい・掲載したい内容をWeb上に掲載するために、制作会社に依頼をするだけの話です。
(※詳しくは「これからの飲食店に求められる視点」をご覧ください。)

飲食店経営者の中には、「お店のWebサイトの内容は自ら考えたい」と言う方も多く、中には「素人でも出来る簡易ホームページ作成サービス」で自ら作ったり、「従業員の知り合いに依頼して作ってる」という話をよく聞きます。

お店のWebサイトを作ること、ネット上にUPすることが目的化し、

  • 視聴者は何を知りたがっているのか。
  • それらをどのような形で伝えているのか。コミュニケーションは成立しているのか。

が蔑ろにされていることも少なくありません。

当店の場合もWebサイトリニューアルに当たって事前に色々と構想を練り、それなりのモノができる自信があったのですが、進めていく中で大きな課題に直面しました。

具体的には、当店のWebサイトをリニューアルするにあたり、各ページの構成案から着手し、

グローバルナビ(ページの上部にあるカテゴリー別のメニュー)の中で、技術的な要素を伝える為のページとして、DEEPハイボールというページを作成しました。

そのページの構成案がこちら。

ご覧の通り、カクテルを作っていく上での技術的なものしか書いておらず、お酒の知識があり、カクテルに詳しい人にとっては、納得が行くような内容になっています。

当初は「伝えたいこと」の比重が大きすぎて、このような展開になっていたのです。

しかし当然と言えば当然ですが、飲食店を利用する多くのお客様は、お酒のスペシャリストではありません。
当店も同様で、一般のお客様にご来店いただいております。

その一般のお客様がこのページを見ると、

  • ちゃんとしてそうだけど、なんだかよく分からない
  • 凄そうだけど、その技術が何にどう影響するのかわからない

というのが本音で、会話が成立していないことと同意と判断して良いような状態になっています。

つまり、

店側が伝えたいことと、お客様が読み取れることにギャップが生じている

これも「違和感」なのです。

2.情報の伝え方と伝わり方

そこで、こちらの意図を実際のプロ(コピーライター)に依頼し、「伝えたいこと」と「伝わり方」についてブレストしました。

そして出来上がった案がこちら。

技術的な要素は、要所要所で伝えているものの、細かいテクニックについては言及していません。
ページ上部から読み進めていく中で、「どういうこと?」と疑問を抱かせることなく、読み進めることができます。

ここで大事なことは、

Webサイトに初めて訪れた人に対して、伝わる表現で伝えていること

が重要なのです。

技術的なことをもっと詳しく伝えたいということであれば、「より詳しく知りたい方はこちら」等、技術的な要素をまとめたページを準備するなり、ご来店いただいた時に説明すれば良いわけです。

今回のWebサイトリニューアルのコピーライティングは、最初からプロに依頼をする前提で考えていたので伝えたい要素のみしかまとめていませんでしたが、仮に自分がライティングした場合、Webサイト訪問者にとっては、違和感を感じるライティングになっていたと思います。

このような話は、皆様が購入するメーカー製品でも同様におきており、あるあるの話が、製品スペックを伝えているパターンです。

有名な話では、iPodとSONYのウォークマンが有名で、
「SONYは、〇〇GBというデータの容量」を伝え、
「iPodでは、〇曲持ち歩ける」
という伝え方をしていました。

同じことを伝えようとしたとしても、どちらが一般ユーザーに理解されやすいのかは明白だと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ビジネス上での違和感は、様々なところにありますが、今回は「伝え方と伝わり方」というコミュニケーション上での違和感について解説しました。

大事な要素として、

  • 誰に伝えたいのか?
  • 疑問を持つ等、違和感なく読み進められるのか?

を抑えることが重要です。

自分が一生懸命やっているが故に、このようなことが起きてしまいます。

記事をご覧の皆様も、一方通行のコミュニケーションになっていないでしょうか?
些細なことと思いがちですが、お客様の認知・興味関心を持っていただくには、非常に重要なことです。

皆様もご自身のWebサイトのコンテンツが、本当に相手に違和感なく伝わっているのかを考えてみてはいかがでしょうか?


■筆者 : 福岡裕記の記事紹介

本サイト「飲食業の明日」コーナーにて、福岡裕記氏による記事の中から、飲食店の経営課題に関連する記事をピックアップしました。

飲食店の経営課題に関連する記事一覧はこちら

飲食店の現状、抱える様々な問題を、経営者視点で鋭く切ります。こちらも是非ご覧ください!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この投稿がよかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!

この記事に関するコメント

コメントする