飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。
今回取り上げるテーマは、
経営ビジョン メッセージの言葉づかい
です。
前回の記事で、ビジョンマップの作成について解説しました。
今回は、社内に向けたメッセージをプロの編集者に依頼をした場合、どのように表現が変わったのかについて、具体的な事例を交えて解説していきます。
1. 相手目線のコピーライティング
ビジョンマップの言葉の作成において、重要なポイントは
練り上げた想いを伝えたい人によって、表現を変える必要がある
ということです。
前回の記事でもお伝えしましたが、作成したビジョンマップはプロトタイプで、お客様軸での要素が薄い状態です。
この課題を解決するには、ビジネスモデルから見直す必要があり時間がかかる為、社内に向けたメッセージを整えることを優先させました。
1-1.社内向けメッセージのポイント
社内向けのメッセージを優先的に着手した背景としては、従業員がより早く成長できる環境を構築するために、最初に着手をしました。
プロの編集者の方へ相談し、プロトタイプのビジョンマップに記載した内容と打合せの中で私達が発言した内容を汲み取っていただき、完成した行動指針がこちらです。
【当店作成のビジョンマップ・プロトタイプ】
【プロ編集者の方と作成した行動指針】
ここでのポイントは、
従業員が理解できるように、難しい言葉を使わない。納得・共感ができる表現であること
です。
ついついやりがちな事としては、
- カッコいい言葉を使っているけど、メッセージの方向性がバラバラで支離滅裂になっている。
- 経営者が大きなことを言い過ぎて、現場の従業員目線での行動指針になっていない。
等、想いが先行し、
経営者の独りよがりのメッセージになってしまっているケース
が多くあります。
これは、大企業でも同様の問題があり、「言いたいことはわかるけど、で、どうするの?」という感情を抱いたことがある人は、かなりの数いると思います。
1-2. 納得と共感、そして行動へ
当店の場合、20代前半の従業員が多く、まだ社会に出たばかりの従業員も少なくありません。文章を読み取る力がまだ未熟なので、とにかく分かりやすい言葉で表現していくことを意識しています。
書かれている内容に対して、
具体的に納得・共感・そして行動までイメージができる、示唆される内容になっていること
が重要です。
プロの編集者に依頼し、この完成した資料を見て、「伝えたいことを伝える難しさ」を改めて感じました。
どのメッセージも「この行動指針通りに動けば、私がどうなっていくのか?」という自分事になるように表現されています。
伝えたい本質は同じでも、人によって受け取り方が違うので、その人に向けたメッセージに言葉を調整していかない限り、伝わらないということです。
言い方を変えるとマーケティング的な視点を持たないと、人材教育はできないと言っても良いと思います。
特にZ世代は、人の気持ちを推し量ることが苦手で、想像力が低いと言われています。
自分事であれば、想像をしやすくなります。
少しでも想像しやすく、行動に移しやすい環境を作ることが大切です。
まとめ
今回は、
伝えたい人に伝わる表現に変えていくことの重要性
そして、そのメッセージを受け取った人が自分事化し、行動に移せるまで意識した表現にしなければならない
ということが、重要なポイントであるということを説明しました。
相手がどう受け取るのか?を常に意識して伝えていかなければなりません。
これは、日常でお客様や従業員、仕入先等、ステークホルダーに対しても同様のことが言えると思います。
「相手に伝えたいことをしっかり伝える」
簡単なようで難しいことです。
伝える側も今回記事で言及した配慮が必要ですが、受け取り側も伝える側がどういうことを伝えたいのだろうか?と、
お互いがおもいやりを持つことが大切で、分からないことがあれば、確認しあうコミュニケーションが重要だと思います。
■筆者 : 福岡裕記の記事紹介
本サイト「飲食業の明日」コーナーにて、福岡裕記氏による記事の中から、飲食店の経営課題に関連する記事をピックアップしました。
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