MENU

#11. ビジョンマップの作成

飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。

今回取り上げるテーマは、

ビジョンマップの作成

です。

前回の記事で、パーパス策定を進めていく上で、具体的にどこから着手したのか?や留意点について解説いたしました。
今回は、ビジョンマップの作成について解説します。

1.ビジョンマップの作成

ビジョンマップ作成において、重要なポイントは以下の2つです。

〇ビジョンマップの全ての項目において、ビジョンとの連動制を意識する 
〇お客様軸、企業・店舗軸、従業員軸と3つの視点から見て納得・共感できる内容になっているのかを意識する

このポイントがいかに需要なのかを、当店のビジョンマップの作成をモデルケースに見ていきます。

1-1.ビジョンマップの全ての項目においてビジョンとの連動制を意識する

具体的には、

将来ありたい姿であるビジョンから逆算し、全ての活動が連動していくように進めていく

ということです。

ビジョンマップを作成していく上で、特に注意した項目を当店のケースを踏まえて具体的に説明します。
こちらが当店が作成したビジョンマップです。

BAR DEEPのビジョンマップ

ビジョンマップにあるように当店では、ビジョン(会社・組織のミッションが実現した姿・将来像)を「カッコいい」と定義しました。
ということは、現在軸にしている活動が積み上がった姿がビジョンということになります。

そして、ミッションを「当たり前で未来を変える」と定義をしました。
掲げるミッションは、前回の記事でも書きましたが、「自分という経営者を組成した過去」から出てくる言葉であることが重要です。

「当たり前で未来を変える」をミッションに掲げた背景として、

  • プロであればあるほど、誰もが途中で手を抜いてしまいそうなことをしっかりやり遂げているということ
  • 今のZ世代は、「当たり前」ができていないことが多いこと

から、このミッションを掲げるようにしました。

このように、

ビジョンを形成している最も大きな要素は、何か?

を追求する必要があり、

ビジョンマップには、経営者自身の過去の経験から、日常的に大事にしている要素を言語化すること

が重要です。

ビジョンとミッションが連動し、次にミッションとバリューが連動していくように、ビジョンを軸に全ての項目がビジョンから逆算して考えていかなければ、方針にブレが生じてしまい、ビジョンマップが機能しなくなります。

1-2.お客様軸、企業・店舗軸、従業員軸と3つの視点から見て納得・共感できる内容になっているのかを意識する

ビジョンマップには、

  • お客様が求めていること
  • 企業・店舗が実現したいこと
  • 従業員がやりたいこと

この3つの要素が入っていなければなりません。言うなれば、この3者が共感する内容でない限り、推進力は増していきません。
経営者視点だけにならないように、常に視点を変えることが重要です。
当店のビジョンマップでも、経営者目線になりすぎている要素がありましたので、事例として紹介します。

全ての軸に対し基準となる定義

当店のビジョンマップの中心付近にある「DEEPのカッコいいとは?」の項目になりますが、私達は、全ての軸に対し基準となる定義を

「誰かの為に」「芯がある」行動をすること = カッコいい

としました。

この「芯がある」は、検討当初は、「泥臭くやりきる」でした。当初設定した、「泥臭く」も「芯がある」も、伝えたいニュアンスは同じです。
しかし、「この泥臭くやりきる」は、男性であれば当てはまりますが、当店は、女性従業員が多く、女性に当てはまらないということで、「芯がある」へ変更しています。

このように誰がこの定義を基準として活動していくのか?を意識して書いていくことが重要です。

2.ビジョンマップ作成で起こりうる課題

ビジョンマップ作成のポイントは、前述した2点を意識すれば、ビジョンマップで示していきたい方向性の骨子を、ある程度固めることができますが、それはまだプロトタイプです。
この段階でもいくつか課題が出てきます。

当店のケースでは、この時点では、新たに2つ課題が出ました。

1,方針の骨子はできたものの、人を動かす「刺さる表現」にはなっていない。
2.企業・店舗軸、従業員軸の要素は、ビジョンマップの各項目に反映されているが、お客様軸での要素が薄く、お客様を巻き込んだビジョンマップになっていない。

ということです。

1つ目については、プロの編集者へ相談し、これらのビジョンマップの一部を刺さる表現に変えていただきました。
しかし、2つ目の課題については、まだ解決できておらず、懸案事項になっています。
これから、全ての軸にバランスよく反映されるビジョンマップへとブラッシュアップしていく予定です。
完成したら、またこの講座でご紹介できればと思います。

まとめ

今回の記事では、

ビジョンマップの全ての項目において、ビジョンとの連動制を意識する
お客様軸、企業・店舗軸、従業員軸と3つの視点から見て納得・共感できる内容になっているのかを意識する

が、ビジョンマップ作成における重要なポイントであるということを説明しました。

ビジョンから全て逆算で考え、連動性を意識していくことは、そこまで難しいことではありません。
しかし、軸がブレていないか?と、常に注視しながら作成を進めていく必要があります。

さらに、当店のケースでも、ビジョンマップでお客様軸での要素が抜けていたように、経営陣達だけで作成すると視野が狭くなり、客観性が低下してしまいます。

作成したビジョンマップに、相談ができる経営者や第三者の視点が入ることで、抜け漏れや重複など、客観的にアドバイスを頂けるので、ビジョンマップを作成する場合は、第三者を交えて作成していくことをオススメします。


■筆者 : 福岡裕記の記事紹介

本サイト「飲食業の明日」コーナーにて、福岡裕記氏による記事の中から、飲食店の経営課題に関連する記事をピックアップしました。

飲食店の経営課題に関連する記事一覧はこちら

飲食店の現状、抱える様々な問題を、経営者視点で鋭く切ります。こちらも是非ご覧ください!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この投稿がよかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!

この記事に関するコメント

コメントする