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#10. パーパス策定の具体的な進め方

飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。

今回取り上げるテーマは、

パーパス策定の具体的な進め方

です。

飲食店のZ世代の人材教育で重要なパーパスの策定。
前回の記事で、パーパス策定時に必要なスタンス・考え方について解説いたしました。
今回は、パーパス策定を進めていく上で、具体的にどこから着手したのか?や留意点について解説していきます。

1. パーパス策定の具体的な進め方

  1. パーパス策定を具体的に進めていく上での、重要なポイントは以下の2つです。

〇MVV個々の位置づけと全体像を明確にする 
〇自分という経営者を組成した過去を振り返る
※MVV (ミッション・ビジョン・バリュー)

順に解説していきます。

1-1. MVV個々の位置づけと全体像を明確にする

インターネットで検索をすればパーパス策定の事例が沢山出てきますが、参考にはなるけど、何をどのように進めていったら良いのかわからないというのが本音だと思います。
そこで私のお店で、実際どのようにして実行したのかをご紹介します。

当店のケース

前回の記事でご紹介したように、当店は、会社としての大きな指針が示せていないことがわかりました。
初めてパーパス策定をしていくので、右も左もわからなかった為、他の企業のMVVなど他社事例を研究することから着手しました。

事例を探すにあたって注視した点は、

ミッション・ビジョン・バリューなど「個々の関係と全体像が分かりやすいこと」
「各々の位置づけが明確である事」

の2点。

その中で事例の参考にした企業が、トゥモローゲート株式会社様のビジョンマップです(https://tomorrowgate.co.jp/policy/ の下部)
こちらのビジョンマップを参考に、当店のMVV個々の内容とそれぞれの位置づけを明確にし、それぞれの関係などを考えていく事から始めました。

出てきた課題

課題として一番大きかったのは

・どの項目から着手すれば良いか
・それぞれの位置づけ、関係(連動)は分かりやすいものなのか

ということです。

MVV等は、全て連動しているので、どこから着手していくかと言う問題が出ます。

さらに、やりたいことを書き出したメモ(注)の内容を、該当する箇所に当てはめても、その関連性が不明瞭になる。
仮に当てはめていってもどこかで、上手く連動・連携せず、手戻りが発生する。
(注:前回の記事でメモを紹介しています)
結果的に、前回の記事でもご紹介した「経営陣による壁打ち」を何度も繰り返し、全体像とMVV個々の内容を詰めていく必要が出てきました。

このように、なかなか話がまとまらなかったのは、「いかに当店が、指針がない状態で経営をしていたか」ということの表れだと感じています。

1-2. 自分という経営者の原点(組成した過去)を振り返る

前述の「MVV個々の位置づけと全体像を明確にする」のやり方でも、直ぐにMVVが出来上がるわけではありません。
何度も壁打ちを繰り返しても、なかなか進まないのが当たり前です。

そのような場合は、

自分という経営者の原点(組成した過去)を振り返る

つまり「そもそもの自分が経営に携わる原点となったモノ」を考えてみることがポイントになります。

当店のケース

ビジョンマップの策定が全く進まない状態だった為、当店では、まずビジョンから着手しました。

ビジョンとは、「ミッションが実現した姿、将来像」と言う定義です。
したがって「当店を将来、どんなお店にしていきたいのか」という観点で考えました。

未来を考える上で最も重要なのが「経営の原点となるもの」です。
当然ですが、未来は現在から見えてくるものであり、現在は過去から蓄積されているものです。そしてその過去とは経営をスタートさせた時の状況。

「そもそもの自分が経営に携わる原点、起点となったモノや事柄」が現在を造り、未来へとつながる重要な要素

なのです。

当店でも

  • そもそもなんでバーを始めたのか?
  • バーテンダーってどういう職業なのか?

という初心を思い返して出てきた言葉が、「バーテンダーは、カッコいい」でした。

私が初めて働いたバーのオーナーバーテンダーが、手際よくお酒をと作りながら、ニコニコとお客様と会話している姿を見た時に感じたもの。

「バーテンダーは、カッコいい」
ここが自分のバー経営の原点だということに、行き着きました。

そこで、ビジョンを構成する前後の言葉は「カッコいい、カッコよくある」を仮で定義し、策定を進めました。
重要なことは、活動の原点に立ち返るということです。

どの企業も立派な経営理念等を掲げていますが、そのビジネスが始まった瞬間は、そんな立派な理念ではなかったはずです。
私達のように、憧れや楽しそう等、そういう感情だったと思います。
その気持ちを軸に構築していくことが、経営者の原動力であり、企業の魂だと思います。

当店の場合は、たまたま「カッコいい」がビジョンにハマりましたが、
ここを、飾った言葉にしてしまうと、基盤から崩壊していくので、注意が必要です。

見えてきた課題

ビジョンをカッコいいと仮で定義してからは、ミッション、バリューと比較的簡単に言葉が生まれてきました。
しかし、ビジョンマップの空白を埋めていくにつれ、出てきた課題は、
「伝える力、コピーライティング力が圧倒的に不足していること」です。
これについては、私達の専門外であり、一朝一夕でライティング力がつくものでもないので、外注化することに決めて、ビジョンマップを完成させることに注力しました。

まとめ

今回の記事では、パーパス策定の具体的な進め方として

MVV個々の位置づけと全体像を明確にする
自分という経営者の原点(組成した過去)を振り返る

ということをお伝えしました。

ビジョンを描くことは、容易ではありません。
自分を突き動かした感情をビジョンに落とし込むことが重要で、綺麗な言葉である必要はありません。

同じバーを経営されている方でも、バーテンダー=カッコいいという動機でバーテンダーを始めた人も多く居ると思いますが、同じカッコいいでもニュアンスが異なってくるはずです。
取って付けたような言葉では、人は動きません。
必ず、自分の経験の中から生み出される言葉で表現していくことが重要なのです。

次回は、当店のビジョンマップがどのようなものなのか解説していきます。


■筆者 : 福岡裕記の記事紹介

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