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第2回『ひとあつめ』とは(後編)

(編集部より)
当サイトの運営会社、プラグインアーツの代表である小野正博と、同じく当サイト編集部の近藤淳司との共著による電子書籍「ひとあつめ」を著者の了解のもと一部をご紹介。
本書は幅広くビジネスの現場で、いかに優れた人々を集めるかについて、つまり「ひとあつめ」の大事なヒントをお届けしています。
第2回は、前回に続き、「ひとあつめ」の考え方、優秀な人を集められるようになることについてです。

電子書籍「ひとあつめ」の詳細はこちら


価値の交換

1人ではとても達成できないような大きな目標を成し遂げたいとき、やはりなるべく有能な人々に集まってもらいたいものです。そのような優秀な人々には、ある種のコード=約束ごとが存在します。このコードを理解できている人間とそうでない人間には深い溝が、極寒の南極の大雪に隠れているクレバスのように横たわっています。その溝が見える人には見えるし、見えない人には見えない、大事な境界線です。

この境界線とは何か? とてもシンプルです。すべてのビジネスはここから始まります。なぜならそれは有史以来、いや有史以前から、あるいは人類が生まれて「交流」が始まったときから、何も変わっていないからです。それはビジネスマインドの根幹である「価値の交換」ができるかどうかです。平たく言えば、例えば何かをもらったらお返しが出来るかどうか。なぜこのマインドが必要なのか? 本書の要諦は、極言すれば、これが出来るかどうか、そこにあります。これが出来るようになれば、上手く行かなかったビジネスは劇的に改善します。

もう少し詳しく解説しましょう。
はるか昔の原始時代、人々は近くの部族と交易を行っていたことでしょう。例えば魚を捕るのが上手い者は魚をたくさん捕って、原始的な市場のような広場だかどこだかに向かいます。野菜や果物、肉などを手に入れるためです。貨幣経済以前は物々交換です。他にも動物の皮などを使って服を作るのが上手い者は衣服を持ってくるし、同じように矢尻などの武器、土器、火を着ければ長く燃え続ける不思議な石(木炭や石炭)、宝石などもあったことでしょう。大きな交易場所ではなかったかもしれませんし、いろんなものが豊富にあったとは考えられませんが、とにかく物々交換で原始的な交易とでも呼べるものは必ずあったはずです。

ここで強く主張したいのは、これが先史学的に正しいか間違っているかではなく、人類にとって物々交換こそが、例え現代であってもビジネスのコアの部分である、ということです。例えば小さな魚1匹に対して山ほどの肉をくれ、と要求すれば、相手はとんでもないと大声で怒鳴ったことでしょう。魚1匹に対しては、それ相応の量の肉であったはずです。つまり同じ価値を人は求める生き物なのです。

そこで質問です。あなたがビジネスだけではなく、たとえば誕生日プレゼントや旅行のお土産など、人に与えた・差し上げた価値に応じて、そのお返し・リターンが十分でかつ何度も続く場合、あなたは相手をどう思いますか? この人とは話が出来る、とは思いませんか? なぜなら、自分が供与した価値に応じて価値が返ってくるのですから。

そして自分1人で処理・解決できない何か良いビジネスの話がやってきたとき、真っ先に思い浮かべるのは誰でしょうか? 御礼も出来ないAさんですか? あいさつを返さないBさんでしょうか? そうではないでしょう。きちんと御礼もあいさつもできる上に、対価として等価値のものをお返しできるCさんに、真っ先に相談しようとは思いませんか? そして正しいビジネスとはそういう人たちのグループや組織で成り立っている、と言ったら言い過ぎでしょうか?

本書はビジネスの根幹=コアの部分について「一般的に当然と思われていることをちょっとでも守らないことがどのくらいビジネスを困難なものにしているか」「ビジネスのコツは思っている以上にシンプルであること」をテーマとして論じます。そしてこの「価値の交換」をコードとして優秀な人をどんどん集めて行くこと、これがさらにビジネスを豊かにして行くことを論じます。

そのためのファーストステップは「どのようにして優れた人々と知り合うか」が鍵となります。
次の章では「出会い」という観点に的を絞って論じたいと思います。


ひとあつめ

〜ビジネスで戦える優れた集団を作るためにすべき13のこと〜

小野 正博/著  近藤 淳司/共著 

プラグインアーツパブリッシング
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