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令和版 “あてなるもの”「雪室珈琲」

雪室珈琲

リサーチャー 本間恵理

雪室」という言葉の不思議な魅力

「雪室」という聞きなれない言葉を初めて聞いたとき、何それ?と想像がつかなかった。その後、どんな漢字で表すのか知った時、キュンとときめいたのはわたしだけじゃないはず。

もともと雪国の生まれなので「雪」と名が付く言葉には縁を感じてきた。
「雪室」とは江戸時代、雪国各地に点在した貯蔵庫のこと。冬に積もった雪を保存して、氷の代用品にしていたという。

このときめきは高校の時、国語の教科書に掲載されていた、清少納言の「枕草子」を読んだ時に似ている。「あてなるもの」という聞きなれない言葉が登場するが、これは平安時代、貴族にとって氷が贅沢品であったため「美しいもの」「特別なもの」という意味を指して使われたそう。現代でいう“かき氷”を、冷凍庫のない時代から楽しんでいたなんてものすごく粋だ。

「雪室珈琲」の違いとは?

「雪室」と名前が付くからと言って、飲んだら冷たいわけじゃない。ではどうやって「雪室」の効果を感じることができるのだろう?実際に飲んでみると、その違いが分かった。珈琲の特徴でもある、酸味・苦みといった「角」が取れて、まるくなった味がする。事実、雪室で貯蔵すると不快な臭い成分が減少し、アロマ成分の比率が高まるのだそう。

山形県の豪雪地帯、飯豊町(いいでまち)。
北国ならではの雪室(ゆきむろ)を利用した熟成珈琲が、この「雪室珈琲」だ。

雪国では古くから、天然の雪が冷熱源として利用されてきた歴史がある。わたしの実家でも、冬には畑で採れた野菜を家の周りの雪に埋めて、冷凍保存させておく。決して凍らせることが目的ではなく、自然の力を借りて野菜を熟成させることができる「田舎の知恵」なのだ。

山形のお隣・新潟で雪に囲まれて育ったわたしにとって、雪は落ち着く存在だ。雪室で眠れるなんてこの珈琲がうらやましい。きっと雪の中は寝心地がいいはず。光も音も振動も無く、一年中安定した環境を保つことができる貯蔵庫。誰にも邪魔されず、ゆっくり休める場所でどんな夢を見てきたのだろう。きっと寝覚めもよく、煩悩なんかまるで無くて、ただ美味しい珈琲を届けたいだけ、そんなメッセージが伝わってきた。

人と自然が力を合わせてひと手間加えたこの珈琲は、基調で特別な逸品、まさに「あてなるもの」。昔ながらの知恵を活かして、末永く雪室文化を継承してほしい。


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雪室珈琲

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