ワインを楽しんでみたいけど、ちょっと敷居が高い……そう感じている方、とても多いのではないでしょうか。私もワインを学ぶ前の20代前半の頃はそうでした。
でも大丈夫。知識があろうとなかろうと、私の周りのワイン女子のみなさんは、様々な方法でワインを日々エンジョイしているようです。
彼女たちがどんなキッカケでワインを好きになり、今はどんな楽しみ方をしていて、どんな悩みや疑問を持っているのか。インタビューを通じて皆さんのリアルなワインライフを探ってみました。
2人目のゲストは人気のインスタグラマーであり、モデルやコスメコンシェルジュとしても活躍されている垰(たお)智子さんです。
聞き手 瀬川あずさ 近藤淳司(編集部)
イメージ通りのワインを見つけるのも一苦労なんです
船を愛する人気インフルエンサー
垰智子さん(以下、垰):垰智子です。「たお・ともこ」と読みます。よく「とうげ」(峠)と間違えられるのですが、「たお」です。紛らわしい名前ですみません(笑)、よろしくお願いします。
【垰智子さんのInstagramのアカウントはこちら、Twitterアカウントはこちら】
垰智子(モデル/コスメコンシェルジュ/インスタグラマー)さんのプロフィール
国立大島商船高等専門学校を首席にて卒業後、船会社に就職。スカウトをきっかけに読者モデルとして活動後、フリーモデルとして現職に至る。20歳の頃からワインにハマり、船で世界を回りながらいろんな国のワインやリキュールを飲む。ここ数年はビールにハマっていたが最近、またワインにハマりそうな予感。
瀬川あずさ(以下、瀬川):よろしくお願いします。智子さんは、私が経営している株式会社食レコという会社でもインフルエンサーとしてお世話になっているんです。
よくインスタグラムで素敵なライフスタイルを拝見しているんですが、可愛らしいのにナチュラルで飾らなくて女子の憧れだなぁと思っていて。智子さんみたいな方にワインの魅力を発信してもらいたいと思い、今回お声がけさせていただきました。
編集部 近藤淳司(以下、近藤):垰さん、よろしくお願いします。今はどんな活動をされているんですか?
垰:今はフリーで、主にモデルをしているのですが、ラジオパーソナリティのお仕事や、コスメコンシェルジュとして女性誌や美容雑誌で商品評価などもさせていただいています。あと、実は一級小型船舶操縦士免許と航海士の資格を持っていて、全日本船舶職員協会の広報大使も務めています。
瀬川:航海士の資格ってカッコイイですね! 「飛鳥Ⅱ」みたいな大型船舶の船長さんにもなれるんですよね?
垰:はい、そうなんです。以前船会社で働いていたこともあって、船はとても身近な存在なんです。広報大使として、船の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと常に思っています。
前にあずささんが「飛鳥Ⅱ」でワインセミナーをされていた投稿を、興味津々で見ていました。いつか船とワインの企画でご一緒できたら面白いなと思っていて……。
瀬川:わ! それは面白いですね。私も仕事のご縁でクルーズを体験させていただいて、それからすっかり船の魅力にハマってしまっているので……「船とワイン」、夢がふくらみます。 智子さんは、普段からよくお酒は飲まれるのですか?
峠:そうですね。一人暮らしなので、毎日のようにワインを飲むわけではなくて、週に一回ぐらいのペースで、だいたい自宅で楽しんでいます。どうしても、ビールとか缶で気軽に飲めるものをいただく機会が多くなってしまうのですが。
ワインは大好きで、昔はしょっちゅう飲んでいたのですが、ボトルを開けるとつい飲みすぎてしまうので、今は次の日に何も予定がない時にゆっくり楽しむようにしています。
瀬川:そうなのですね、昔は良く飲んでいたということなのですが、ワインが好きになったきっかけは何だったんですか?
峠:20歳ぐらいの時かな。船会社に勤める前の航海実習で船に乗っていた頃に目覚めました。やっぱり船の楽しみというとお酒なんですよね。ワインは免税で飲めるのですが、ここぞとばかりに蛇口がついている大きな箱ワインを買って、航海中にみんなで楽しんだのが、ワインを飲み始めたきっかけです。
船の上では飲めるワインが決まっていて、好きなものを選んだりすることはできなかったのですが、それから陸に上がってから、仕事仲間とみんなで色々なワインを飲みに行くようになりました。
瀬川:船の上でワインに目覚めたってオシャレですね。陸上のお仕事になってからはどんなワインを飲んでいたのですか?
垰:会社が近かったので、丸の内界隈のイタリアンレストランに良く行っていたのですが、そこでオススメしてもらった、白ワインや赤ワインを飲んでいました。当時は何故か炭酸が飲めなくて、みんながビールを飲むような時でも常にワインを飲んでいましたね。
そのレストランでは、船上の箱ワインとはちがって、ソムリエさんが素敵なボトルワインを色々とすすめてくださって。そこでお料理と一緒に楽しんでいるうちに、ワインがますます好きになりました。
瀬川:箱ワインからソムリエさんセレクトのワインまで、様々なワインをそれぞれのシーンで楽しめるって素敵なことだと思います。
決して侮れないコンビニワイン
瀬川:ところで、今は自宅で飲まれる機会が多いとのことですが、家飲み用のワインを購入するときに、選ぶ基準ってありますか?
垰:そうですね。飲んで美味しければ十分なので、そこまで拘らず色々楽しむようにしています。コンビニエンスストアのワインでも気軽に楽しんでいますよ。
セブンイレブンの「セブンプレミアム」のワインってありますよね。あれ1,000円ぐらいなのに結構いいんですよね。値段も手ごろですし、赤と白を両方買ってそれぞれ飲んでみたんですけれど、ちゃんと美味しくて……。
瀬川:確かにセブンイレブンのワインは美味しいって評判をよく聞きます。赤白両方買ってしっかりテイスティングしてるのがエライです!
垰:味わってみて思ったのが、このお値段でこのクオリティーっていうのは、すごいなと感動して。お手頃なワインだからといって決して無下にはできないし、高いワインで失敗するよりも安心だなと感じたんです。
セブンプレミアムの中でも更にお得な「アンデスキーパー」ってありますよね。ワンコインなのにびっくりするほどコストパフォーマンスが高いなと。
とはいえ、安ければ何でもいい訳ではなくて、スーパーでよく目にする「酸化防止剤無添加ワイン」は、私には甘すぎてちょっと口に合わないです。ただ幾つかのコンビニワインはしっかりした辛口で美味しく飲めます。
瀬川:そういった肩肘はらない楽しみ方っていいですよね。私もコンビニワイン、改めてテイスティングしなくては! 少し高いワインも挑戦してみたりしますか?
垰:普段飲みにはカジュアルなワインが多いですけれど、ちょっとした記念日やそんな気分の時には、高めのワインにも挑戦しています。そういう時はデパートの地下にあるワインブースやエノテカなどのワイン専門店で購入することが多いです。
お値段が高いものは失敗が怖いので、なるべくちゃんとしたところで選びたいんですよね。
近藤:ちなみに普段飲みと、ちょっと特別な時のワインのご予算って大体どれくらいですか?
垰:そうですね。普段飲みであれば、美味しければリーズナブルなほど嬉しいですけれど……だいたい2,000円弱ぐらいまでですかね。友人への手土産とかお店に持ち込むのだったら4,000円くらい。5,000~6,000円以上のワインだと、記念日とか特別な時に飲みたいです。
瀬川:今はワインの種類も本当に豊富なので、そのくらい価格帯の幅があれば色々な楽しみ方ができますね。
ハードルが高いワイン選び
瀬川:先ほど「値段が高いワインは失敗が怖い」とおっしゃいましたね。ワイン選びの失敗はもちろん、ワインに関して発言するときも間違ったことをいうのが怖いとか……そんな話を聞くのですが、智子さんはいかがですか?
垰:そうですね……。やっぱりそんなに知識があるわけではないので、人前で語るのは怖いというか、語れないですね。ワインって本当に奥が深いじゃないですか。しかもご存じの方は本当に詳しいので、そこについていくのはかなりハードルが高いなと感じています。
瀬川:そうですよね。私としては、そのハードルをどうにかして下げていきたいのですが、やっぱり智子さんも敷居が高いと感じているんですね。
垰:それはしょっちゅう感じます。お気に入りを見つけた気がしていても、また他の機会に飲んでみるとあれ違ったな? と思うことも多くて、イメージ通りのワインを見つけるのも一苦労なんです。
あとは、1本を一人で飲むとどうしても量が多いのですが、かといって飲み干すわけにもいかないですよね。料理にはもったいない気もするし……じゃあいったい何日間持つのかの正しい知識があるわけではないので、ワインってやっぱり難しいです。信頼のおけるアドバイザーさんがいればいいのですけれど……。
瀬川:ソムリエさんでも、ショップスタッフの方でも、何か気軽に相談できる方がいれば頼もしいでしょうけど、そういう方って一般的にはなかなか身近にはいないものですよね。
垰:そうなんですよね。通りすがりの店員さんにオススメしてもらっても、自分が好きなものと相手が好きなものが違うことも多いですし……。たまにテイスティングをすすめてくれるお店もありますけど、試飲したら買わなくちゃいけないんじゃないかって思って、つい遠慮してしまうんです。
瀬川:日本人あるあるですね(笑)
垰:そう。「絶対今日は買うぞ!」って思った時じゃないと、試飲を進められても「大丈夫です」って断っちゃうんですよ。あと、ハードルが高くなってしまう要因としては、栓を開けるのも少し面倒だなと思うことがあります。
瀬川:確かに、空けやすいワインオープナーがだいぶ普及しているとはいえ、抜栓って大変なイメージですよね。スクリューキャップだと気軽に開けられるのですが。
垰:そうなんです! しかも抜栓の途中でコルクが折れてしまったりすると、かなりショックを受けます(笑)。
瀬川:最近はスクリューキャップを採用する産地が増えていて、特にニュージーランドワインは殆どがスクリューです。抜栓が面倒だと思ったら是非ニュージーランドのワインを選んでみてください!
垰:国によってもスクリューキャップの普及率が違うのですね。参考になります。
近藤:あと、一本飲みきれないという場合はハーフボトルという手がありますが、ハーフボトルはあまり飲まれないですか?
垰:そうですね。ハーフボトルはどうしても高級なワインが多くなってしまうので、なかなか気軽は飲まないかもしれません。
昔よくソムリエさんに「家でも気軽に飲めそうな安くて美味しいワインを教えてほしい」ってお願いしていたぐらいなので(笑)。その時に教えてもらったのがイタリアワインの「キャンティ」で、今でも飲んだりするのですが、そこからもう少し幅を広げて、オリジナリティある楽しみ方ができたらなぁと思っているところです。
瀬川:是非ぜひ! トライしてみてください。ワイン選びに苦労するのは、皆さんが通る道だと思います。プロにアドバイスを受けると言っても、自分の好みや予算感を理解していて、尚且つ感性が合った人にオススメしてもらうと、しっくりくることもありますが、相手によっては違うなと思うことも多いです。
ちょっと恋愛と似ていて、友達が素敵だと言っている人や、親が気に入っている人が、必ずしも自分のタイプとは限らないですよね。それと同じかもしれません。そこがワインの難しくも奥深いところではあるのですけれど(笑)
(後編につづく)
モデル、コスメコンシェルジュ、インスタグラマーとしてご活躍! 垰(たお)智子さんのInstagramのアカウントはこちら、Twitterアカウントはこちら
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