「ぽっちゃりモデル」とも呼ばれるプラスサイズモデル。前回「プラスサイズモデル、ウォーキングレッスンに通う」でモデルレッスンに通い始めたラッパーみくるさん。どのようにしてプロのズモデルとして活躍するようになったのか? そのプロセスを語ってもらいました。
(編集部)
モデル事務所に応募
モデルになるには、「スカウト」されるか、ファッション雑誌などで開催される「モデルグランプリ」や「専属モデルオーディション」を受ける方法があります。
私の場合は、ある日、初めてネットニュースで見た色とりどりのウェディングドレスの華やかさに目を奪われ、私も同じ舞台に立ちたいという気持ちから、「グラぽちゃ」代表の桃果 愛さんにメールで連絡を取りました。
メールの返信には、全身の写真と、バストアップ写真を送ってくださいとのことだったので、さっそく写真を撮り送りました。その後、面談という形でお話させていただき事務所に入れていただきました。
本来なら、コンポジット(全身・バストアップ・イメージ写真・宣材写真やオーディション写真を数枚まとめ、モデル名、身長・年齢・スリーサイズ・シューズサイズ、経歴、特技、事務所連絡先をまとめたもの)を持っていくのですが、写真を持っていなかったため友人に撮影してもらいました。(その後事務所に入ってから、コンポジは作成していただきました。)
実際にお会いした桃果さんの所作の美しさや振る舞い、ショーの時のイメージとは違う表情に、“憧れ”を抱きました。
プロのモデルへ一歩ずつ
プロのモデルとは、常に憧れられる存在であり、容姿だけではなく、個性や人間性の魅力も求められる。華やかで煌びやかな世界で生き抜くには、ずっと自分を磨き続けなければいけない仕事なのだと実感しました。
ランウェイを歩くには、堂々歩き、洋服や帽子、バッグ、アクセサリーなどの商品の魅力を伝えなければなりません。なかなか、自分に自信を持てなかった時にレッスンで、自信の持ち方を教えてもらいました。
自信とは、自分を信じること。自分を愛して最高の自分に出会うこと。
自信の無い人の身に纏う洋服や小物は、魅力的には見えないんだよと習いました。この言葉を習ってから、自分を愛し、大切にするようになりました。自信を持つことで気持ちや振る舞いに余裕が出てきました。
撮影時やファッションショーなどは、何度経験しても緊張してしまい、可愛い洋服やカジュアルな洋服の時に必要な笑顔を作ることが苦手でした。
レッスンで何度も笑顔の作り方を習いました。
頬骨のお肉を解して、表情筋を鍛えられる顔の運動をしたり、カメラの奥に好きな人がいることをイメージしてみたり、撮影時だったら、話しながらリラックスしながら撮影をしていただいたり工夫をしました。
その中でも1番効果を成したのは、先生や先輩モデルから、撮影前、ショーの前に必ずかけてもらう言葉「楽しんでいきましょう」です。
この魔法の言葉に何度助けられたかわかりません。自分が楽しまなければ、相手に楽しさは伝わりません。
このようにして、緊張と上手く付き合ってきました。
そして学んだこと
私はもともと、なんでも譲る性格でした。
お先にどうぞ、後で大丈夫ですからと一歩下がってしまうことで、自分を成立させてきました。しかし、それではモデルとして成り立ちません。
私がやります!とグイグイ前に出て、分からないことがあればすぐに質問し、どんどん吸収しないと沢山のモデルに埋もれてしまいます。
そして、感受性を豊かにするにも、モデルとして成長するにも、レッスンで教わったことや 周りの人から教わったことは素直に吸収し、表現することがとても大切です
自分が常に1番だと思い、勝ち抜いていかなければいけません。
ランウェイを歩けるモデルの数は決まっています。撮影してもらえるモデルの数も決まっています。
自分以外みんなライバルなのです。
オーディションを受ける際、ショーの時は、先輩、後輩など関係なく、自分が1番だと言うオーラを出し、表現をしなければ、次の仕事に繋がりません。
容姿だけではなく、自分の個性を磨き、強みを作り、自己プロデュース力を高めていかなければなりません。
自分のなりたいモデルの方向性、目標、自分の武器は何なのかを極めて自分磨きをすることでモデルとしての未来が開かれて行くのです。
今は、Instagram、Twitter、YouTubeなど自分から発信できるツールが沢山あります。
自分をブランド化し、洋服やメイク品から食べ物や生活用品まで良いと思うもの発信していきます。
発信することで、新しい仕事に結びつくかもしれません。また、全く新しい可能性に出会うかもしれません。
自分を見つめ、ブランディング力を上げて、発信することで日本だけではなく、海外まで自分の情報を届けることができると思うと一気に世界が広がります。
モデルとして自分にできることは何か。伝えたいことは何か。どんな活動をしていきたいか。
モデルになれたのには、意味があると私は考えています。
プラスサイズモデルとして私にできることは、体形のことで悩みネガティブになり、お洒落が楽しめない方に、ぽっちゃりさんだからこそできるおしゃれを提案すること。
女性らしいカーヴィーラインや丸みを出すことのできるファッションや、着やせのできるファッションを発信して、自由に自分の好きなファッションに身を包み楽しんでもらうこと。
何かを始めたい、自分を変えたい皆さんへ
私はラップに出会い、プラスサイズモデルになり、ラップのレッスンとウォーキングレッスンを受けることで人生が大きく変わりました。
ラップとモデルの共通点は、リズム感が必要、表現力が必要、舞台に立つこと、憧れる存在、人に伝える仕事。別世界のようで、実は共通する部分が多く、自分を輝かせてくれる大切な存在です。
何かを始めるときは、上手にできるか心配であったり、引っ込み思案になることもあったりします。一歩踏み出すことは人生を大きく変えるチャンスです。
私はあの時思い切って飛び込んで良かったと心から思っています。もし、これから新しいことに挑戦してみたいけど迷っている方の背中を少しでも押すことができたら幸いです。
また、同じ年代の方がなかなか使わないカラーのファッションや、メイクにどんどんチャレンジしやすいように、自分が着用してサイズ感を伝え、カラーの使い方によってメイクに活かせる方法を伝えて行き、日本のプラスサイズファッションを海外にまで届けられるモデルになることが目標です。
(編集部)
興味あることに触れてみる。できるようになりたくて学ぶ。言うのは簡単ですが、実際にやるとなると、労力だけでなく時間やお金もかかります。そして、みくるさんのようにプロとして活躍するには、強い前向きな気持ちが一番大事だと思います。
貴方は、何に興味があって、どうしたい、どうなりたいですか?
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