著者より
「オレはパリを愛したが、パリはオレを愛さなかった。」
パリ症候群という言葉をご存じでしょうか。パリに憧れ、意気揚々とフランスを訪れたものの、言葉の壁や文化の違いによって失意に打ちのめされたうえ、行政や企業から理不尽な目に遭い、何らかの精神異常を来すものの、それでもパリから離れられない……そんな人が後を絶たないため、パリ在住のお医者さんが名付けました。それはまるで何かのアディクション(中毒)のように我々の心の奥に食い込んできます。
本書は、自称元パリ症候群罹患者による予防接種的、ルポルタージュエッセイです。パリ・フランス関係者の誰もが語りたがらない、いくつもの「パリの裏の真実」と、その予防策をお伝えしたいと思います。
本エッセイではパリで会った悲喜劇を面白おかしく、多少の揶揄も交えて執筆しましたが、フランス人やパリを不当に貶めることはまったく本意ではありません。その根底にはフランスへの深い敬意と愛があってのことと察してくだされば幸いです。
近藤 淳司
編集部より
当サイトプラグインアーツ・コネクトの編集員も兼ねる近藤氏。パリへの想いをつづった渾身の力作?です。ちなみに他の編集部員には東京症候群、地元症候群、故郷症候群、など各種そろっております。