このシリーズの記事ではバーテンダーの私が、BAR初心者やウイスキーを初めて飲む人でも分かりやすいように、またお酒が飲めない小学生でも楽しめるような内容で説明しています。
そのため、厳密に言えば定義等が違うこともありますので、ご了承ください。
「こんなものなんだ!」と全体像を掴んでいただければ幸いです。
前回の記事では、熟成の工程について解説しました。
木の樽にも種類がありどの樽で熟成させるのか次第で味が大きく変わる。そして、ウイスキーの色は、木の樽で決まる
ということでしたね。
どんな樽に詰めて熟成するのかによって、味や色が変わります。
私自身もウイスキーバーで注文をする際は、商品銘柄ではなく「シェリー(カスク)系で〇年くらい熟成のウイスキー」というような注文をしています。
ウイスキーは星の数ほど種類があるので、ざっくり要望を伝え、あとはスタッフの方へお任せという感じです。
今回は、熟成に関連する豆知識的な話をしていきたいと思います。
熟成期間中、別の樽へ原酒を入れ替えることがある
前回の記事で、蒸溜した無色透明のウイスキーを樽に詰めて熟成させると解説しましたが、樽に詰めた後、商品として出荷するまで放置(熟成)しているわけではありません。
ウイスキーの種類にもよりますが、例えば、蒸溜の工程で出来た無色透明のウイスキーをシェリー樽に詰めて熟成させ、一定期間熟成させた後、2年間はバーボン樽で熟成させるというように、原酒を別の樽へ移し替える事があります。
これは樽の違いによる味わいの変化を生み出す狙いもありますが、原酒を詰める樽が新しい場合、樽(木)の香り・成分がウイスキーに転移しすぎるという問題があります。
つまり新しい樽で熟成したウイスキーは、一定期間以上熟成させてしまうと、樽臭くなり、美味しくなるということです。(※確かタリスカーというウイスキーセミナーに行った時だったと記憶していますが、タリスカーは同じ樽で10年以上熟成すると樽臭くて飲めない=10年以上熟成させる場合、別の樽へ原酒を移し替えるという話を聞いた記憶があります。)
樽は、山にある木を伐採し成形後、組み合わせて作られています。
そのため全く同じ品質の樽は一つとして存在しません。
ウイスキーメーカー各社は、造りたいウイスキーに合わせて樽を厳選しているということです。
樽の種類
樽の種類は、近年様々な種類があります。
私が知っている限りでは、
- シェリー樽
- バーボン樽
- ワイン樽
- ビール樽
- ラム樽
- ブランデー樽
- 日本酒樽
があります。
どの樽で熟成したのか意識して飲むと、ウイスキー初心者の方でも分かるくらい味が違います。
ビール樽の場合ビール特有の麦芽感があり、ワイン樽の場合は飲み終わりにワインの香りや味をほのかに感じます。
上記のように樽の種類は様々ありますが、ウイスキーの熟成工程においてよく使用される代表的な樽は、シェリー樽とバーボン樽の2つです。
2つの樽の違いをざっくり解説すると、
シェリー樽:濃厚な果実香が付与され色味も濃くなる傾向がある。
バーボン樽:木香やバニラ香などが付与される。
という感じです。
シェリー樽の元となるシェリーも様々な種類があり、「モスカテル」というぶどうを使った樽はウイスキーにフルーティーな香りをもたらし、オロロソというシェリー酒を造った後に原酒を詰めたウイスキーは、深いコクのある黒っぽい色のウイスキーになります。
黒っぽい色になる理由は、オロロソシェリーを造った後の空き樽にはオロロソシェリーの成分がたくさん残っているからです。(※オロロソシェリー酒は、黒っぽい色をしています。)
好みは人それぞれなので優劣はないのですが、最近ではシェリー樽熟成のウイスキーが世界的にも人気があり、入手が難しくなってきています。
30年以上熟成したオロロソシェリーは、果実を熟したような甘い味になりますので、もし機会があれば、飲んでみてください。
当店にも、長期熟成したオロロソシェリーのウイスキーはございますので、興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にスタッフへお声かけください。
【お知らせ】 この記事をご覧の皆様に、投稿者 福岡さんのお店「BAR DEEP」よりお知らせです。
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BAR DEEP オフィシャルサイト
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日・祝日…21時〜3時30分
※営業日については、Instagramにて確認ください。
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