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酵母菌に適した環境とは?/ウイスキーの魅力

このシリーズの記事ではバーテンダーの私が、BAR初心者やウイスキーを初めて飲む人でも分かりやすいように、またお酒が飲めない小学生でも楽しめるような内容で説明しています。

そのため、厳密に言えば定義等が違うこともありますので、ご了承ください。
「こんなものなんだ!」と全体像を掴んでいただければ幸いです。

前回の記事では、糖の生成方法 について解説しました。

大きなタンクに大麦と温水を入れ、デンプンと酵素を温水に溶け出させることで、酵素がデンプンを分解し始める

ということでしたね。

糖を作り出すために、大麦を温水に浸す」ということを覚えていただければOKです。

お酒造りに必要な要素は、甘い汁と酵母菌の2つです。
これまでは、甘い汁の造り方について解説してきました。
今回は、酵母菌について解説していきます。

酵母菌が働きやすい環境を準備する

ついに、酵母菌の登場です。

酵母とは、糖をアルコールと炭酸ガスに分解する微生物のことです。
この酵母菌を麦汁に投下して、糖をアルコールと炭酸ガスに分解していきます。
が、糖化の工程で出来た麦汁は65度前後あり、この温度は酵母菌にとって熱すぎるので、一度冷まします。

この時に自然に冷ますのではなく、熱交換器という暖かい空気を冷ますエアコンのような装置を使って、酵母菌が一番活発に動ける温度へ調整します。
真夏の暑い日にエアコンを入れて、快適に仕事ができる環境を作るような感じです。

麦汁に酵母菌を加え発酵させるための発酵槽

酵母菌が活性する温度を保つことで、効率よく糖からアルコールと炭酸ガスを生成していきます。
酵母菌を投下し2日〜3日経過すると、アルコール度数が6〜9度前後の発酵液が出来上がります。

この発酵液のことをウォートと言い、次の工程で「蒸留」され、ウイスキーの原酒となっていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
前回に引き続き、酵素だけでなく、菌が活性化しやすい環境を作り出すことが大切ということがわかりました。
酵母菌も様々な種類があり、近年ではウイスキー専用の酵母が開発されています。

発芽や糖化時に使用する冷水・温水がウイスキーの出来栄えに大きな影響を与えると説明しましたが、この酵母の種類も同じくらいウイスキーの味に影響があります。

そして、この発酵液(ウォート)からアルコール成分を抽出する工程が、蒸留の工程です。
蒸留という言葉は普段聞き慣れないと思いますが、誰もが一度は経験したことあることをご存じでしょうか?

次回は、蒸留の工程を解説いたします。


ウイスキーのここが魅力

今回は大麦を原料としたウイスキーの製造方法を解説していますが、大麦の他に小麦、トウモロコシ等、他の穀物から造られているものもあります。

皆さんは、「シングルモルトウイスキー」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
このシングルは「一つの蒸留所」を指しており、大麦のことを英語でモルトと言います。

つまりシングルモルトウイスキーは、一つの蒸留所で大麦から造ったウイスキーのことを言います。
同じように、一つの蒸留所で小麦やトウモロコシ等の穀物から作られているウイスキーをシングルグレーンウイスキーと言います。
そして、このモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせたウイスキーが、ブレンデッドウイスキーと言います。

ボウモア 1988年 ヴィンテージエディション(シングルモルトウイスキー)
ドーノッホ トンプソンブラザース インヴァーゴードン 1974年(グレーンウイスキー)

近年ではシングルモルトウイスキーがもの凄く人気で、だいたいウイスキービギナーの人は「シングルモルトウイスキーだから美味しい。シングルモルトウイスキーだから良いお酒」とよく口にしています。

確かにシングルモルトウイスキーは、美味しいです。
味わいに奥深さがあり、余韻も長く、コクがあります。
しかし度重なるウイスキーの値上げによって、長期熟成したシングルモルトウイスキーは、今や目が飛び出るような金額で販売されています。
では、

グレーンウイスキーは、どうなのか?

モルトウイスキーと比較した場合、グレーンウイスキーの方が安価で販売されていることが多いです。
※恐らく、原料の価格的に大麦が高いんだと思います。

そして肝心の味ですが、正直グレーンウイスキーはモルトウイスキーに劣ります。
モルトウイスキーのような深い味わいがなく、サラッとした味が多い印象です。
ですが、ある年数を超えて熟成をしたモルトウイスキーに負けないウイスキーへ激変します。

それはいつ頃なのか? 30年です。

正直、熟成期間が20年前後までのグレーンウイスキーは、あまり美味しくありません。

しかし30年を超えたあたりから徐々に美味しくなり、40年を超えるとグレーンウイスキーの味は一気に開花し、モルトウイスキーのような余韻や華やかさが出てきます。

グレーンウイスキーの多くがブレンデッドウイスキー用で製造されることが多いので、グレーンウイスキー単体で販売されることは少ないのですが、もし見かけることがあれば、是非飲んでみてください。

当店でも数本、長期熟成のシングルグレーンウイスキーは在庫として持っていますので、スタッフへお声がけいただければご提供可能です。(写真のウイスキーももちろん準備しています。)


写真でご紹介したウイスキーのブランドはこちら 
■シングルモルトウイスキー ボウモア  ■グレーンウイスキー インヴァーゴードン

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