美味しくない鮨屋のハイボール

03/03/2024

私が食事やお酒を提供する側(お店側)の人間の場合、何から何までこだわりますが、
一消費者としてどこかのお店で食事をする際は、その提供された食事に、文句を言うことはほどんどありません。というか、だいたいどこのお店も美味しいです。

普段から少し運動はしていますが私も30代後半になり、食事も量をあまり必要としなくなってきました。
友人との外食する際も今までとは違い、鮨屋さん等、一般的には「ちょっと良い店」に行く機会が増えてきました。
特に最近は、鮨屋に行く機会がちょこちょこあります。

私自身も何十件、何百件も鮨屋に行ったことがあるわけではないですが、どの鮨屋にいっても「これだけは美味しくない」と思うことがあるので、今回は、そこに触れていきます。

バーと鮨屋の業態は似ている

鮨屋は、エンタメ力、お客様を注目させる力、お客様の質等、全てにおいて高い業態だと思っています。

バーもカウンターで魅せる仕事をしているという意味では同じですが、

コース料理形式ではない(東京には一部コース仕立てで提供する店がある)
お酒よりも同席者や店員との会話がメイン
食事と違い、お酒は嗜好品の為、そもそも絶対必要なものではない

なので、少し意味合いが違います。

鮮魚を扱うので、原価管理の難しさや比較的狭い店が多いので、集客の難しさはあるだろうけど、日本を代表する料理でインバウンドウケ抜群で、客質も比較的良い人が多いはずなので、ある種、飲食形態の完成形が鮨屋なのでは？とも思います。

お客様側も「魚という身近な食材がこう変わるのか！」と想像もしやすいし、
店側も、お客様側の興味が鮨や店主に向いているので、色々伝えやすい(コントロールしやすい)ということもありそうです。
個人的には、「店側の提供する商品のテンポが早い」と「お客様側の食す速度」が良い感じで整っているので、一体感のある空間に仕上がっていると思います。

鮨屋のハイボールはマズい

本日の本題ですが、本当にどこの鮨屋に行っても、ハイボールがマズいです(笑)。
正確には、味わいもさながら、そもそもの使用しているウイスキーがマリアージュ的に良くない。

どこの鮨屋もグラスは、バーで使用されている薄いグラスを使っていますし、ビールも、テレビCM等のようにきめ細かい綺麗な泡で、さすがだなーと感じます。
日本酒は、錫(すず)で提供されている店が多いですし、ワインリストはあまり見たことないですが(笑)、なんか良い感じのワインを揃えられている印象です。

どこのお店もハイボール用のウイスキーは、2つ以上銘柄を揃えられており、時代背景もあってか、1杯目、もしくは2杯目に飲んでいる人は少なくないと感じています。

なのに、美味しくない。

ここからは推察ですが、ウイスキーのプロに相談ができていないという現状があるのでは？と考えています。

ある種、注ぐだけで完成するビール、ワイン、日本酒は、〇〇ソムリエに商品の選定を相談することができますが、ウイスキーは、酒屋からの紹介か取引額が多いメインの酒販店(例えば、サントリーとかアサヒ)のラインナップで揃えられていることがほとんどです。

2杯目以降は、日本酒やワインを飲むお客様が多いのかもしれませんが、これだけハイボールが流行っており、ハイボールを注文するお客様も少なくないはずなので、もう少しだけ配慮して貰えると嬉しいなと思います。

餅屋は餅屋でも、敷居が高い分、期待値が下がる

鮨屋は鮨のプロなので、お酒のプロではありません。
なので、鮨屋は、お酒に関して知らなくて当然です。

ですが、お客様側としては、敷居が高い店ほど、細部に目がいきます。

最終的には好みになるので何が正解とは言えませんが、鮨と相性が比較的良いと言われるウイスキーはありますし、ハイボールの作り方をざっくり学ぶだけでも、味わいは大きく改善するはずです。
それに「混ぜる」という意味では、焼酎の水割り等にも、技術的な応用は効きますので、学んで損はしないと思いますが、鮨屋的には、どうでしょうか？
※個人的には、1杯50円〜100円くらい価格を上げられると思います。

バーテンダーで鮨屋と仲が良い人はたくさんいると思いますので、
是非、コンサルやコラボして、業界を盛り上げるきっかけになっていけば良いなと思います。