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店側が困ってしまうお客様(後編)


前回の「店側が困ってしまうお客様(前編)」の続きとなります。

お店側が困ってしまうお客様その3 お酒の知識でマウントを取ろうとしてくる人

お酒の知識が少しついてきた人にあるあるなのが、このパターンです。
バーテンダーはお酒を扱うプロなので、基本的には知識も経験もご来店いただいているお客様より豊富にあります。勿論、お客様の中には、もの凄く知見がある人もいらっしゃいます。

その場合、素直に教えていただくこともありますが、たまににわか知識でマウント取ってくるお客様がいます。この時は、本当にめんどくさいです。

  • 〇〇という名店で、〇〇を飲んだ。すげーだろ。
  • このウイスキーは、シングルモルトと言って〜(しかも間違っている)

とか。

前者については、バーである以上、基本同じ時間帯で働いているので、他店に飲みに行くことができないし、他店のオリジナルカクテルの名前を色々言われても、何を持ってオリジナルと言ってるのかわからないので、ぶっちゃけわかりません。「そうですかー」くらいしか言えません(笑)。

後者の場合、よくよく聞いていくと、だいたい知識的に間違っているパターンが多いです。
しかも複数名でご来店いただいている時にそのような話をされると、

  • その知識が間違っていると指摘もできない(その人の顔を潰すことにもなる)
  • その上で同意を求められると、プロとしてその間違いを認めることになる

ので、非常に困ります。
仮に知見があるお客様が近くにいらっしゃった場合、ものすごく可哀想に見えているはずです(笑)。
なので、「〇〇のはずなんですが、そんな感じでしたよね?」みたいに少し柔らかい形でバーテンダーへお話していただけると非常に助かります。

お店側が困ってしまうお客様その4 飲み終わった後、水をずっと注文して帰らない人

これが一番困ります(笑)。

居心地が良くて長居したくなる気持ちは嬉しいですし、大前提、数あるお店の中から、当店をご利用いただいたことに感謝をしております。たぶんどの飲食店もそう思っているはずです。しかし、「長居」にも限度があって、飲み終わった後に、ずっと水を頼んで帰らないお客様がたまにいらっしゃいます。

店側の本音は、「多少は問題ないとは思っているものの、食事・飲みが終わってある程度時間が経ったら、帰って欲しい」です。
理由は様々ありますが、

  • 次のお客様をスムーズに御案内できるように準備をしたい。
  • これ以上売上が上がらないお客様にずっと接客しないといけない。人件費はずっとかかり続けている。
  • お客様がいない時にしかできない作業をやりたい。
  • ラストオーダーを過ぎている場合、早めに締めて翌日の準備をしたい。早く帰りたい。

等の理由があります。

たまに「次のお客様がきたら、帰るから」という人がいます。
特に忙しくない日だったら問題ないのですが、満席の場合、店側は1分1秒を争うように仕事をしています。例にはなりますが、

  • 新規のお客様へ、少し待っていただく案内をする
  • 片付けが終わったら、新規のお客様を席へ案内をする

本来発生しなかったであろう2つの工程が発生します。
「たったこれだけじゃん」って思うかもしれませんが、案内のためにカクテルを作る作業台(通称:メイク台)から10歩歩いて、説明して、また10歩歩きます。
たったこれだけが他の作業・サービスに大きな影響を与えてしまいます。
バーテンダーは、そんなレベルで仕事をしています。

当店の場合、メインバーテンダーが立つ位置から、半歩足を伸ばせば、主要なカクテルに必要な道具・材料が全て取れるように動線設計をしています。
たった1歩と思うかもしれませんが、その1歩が積み重なった時間で、カクテルを1杯作れる時間が作れます。ここまで計算して店作りをしています。

スタッフの人件費も同様です。
飲食店は、客単価が高い業界とは言えません。
お寿司屋さんのような高いお店でも、数万円くらいで、何十万円、何百万円になることは少ないです。
スタッフの人件費が、1,000円/時間の場合、その1,000円を支払うためには、当たり前ですが利益を1,000円出さないといけません。
バーで利益を1,000円出すには、カクテルを2〜3杯売ってトントンという感じになります。

また最悪のケースの場合、たまに寝る人がいます。お客様との関係性が深い場合、「最近疲れてんだろうな…」と思って、そっとしておくこともありますが、そんなに馴染みがない方の場合、本音としては、別料金を請求したいくらい思ってます。

サービス業なので、できるだけ気持ちよく帰っていただくことに注力しています。
食事・飲みが終わったらすぐ帰ってくれというわけではありませんが、「サービス=タダ」ではないので、引き際は理解していただきたいです。

お店側が困ってしまうお客様その5 乾杯のグラスチーン

意外とやりがちなことは、乾杯の時にグラスを合わせることです。

居酒屋等で使用されているグラスは、グラスが厚く作られており、口部強化グラスと言って、口をつける縁の部分が割れにくいような構造になっているグラスも多く使われています。

一方で、バーの場合、口当たりをよくするために、強く握ったら割れてしまうような薄いグラスを使っているケースが多いです。
その場合、「カンパーイ!チーン!」とグラスを合わせてしまうと、簡単にチップ(グラスが欠けて)してしまいます。
グラスは、安いモノで1コ1,500円くらい。高いグラスとなると1万円近くします。
中には、アンティークものとなると数万円することもザラにあり、1点モノの場合もあります。「グラスは消耗品だろ」と思うかもしれませんが、1,500円のグラスを買うのに、恐らくカクテルを2、3杯売らないと購入できません。

当店の場合、1個何万円もするようなグラスは使ってないですが、そういうグラスを使ってる店からすると、「すみませんじゃねーよ…。ってか請求してって言われても、そんなんできるわけないじゃん」が本音だと思います。
よっぽど故意にグラスを割られた時以外は、グラス代を請求することはないですが、「普段使っているものより、割れやすい」と頭の片隅においていただければと思います。
なので、ちょっと良いお店で乾杯する時は、結婚式の時の乾杯挨拶のように、グラスを持ち上げるだけにしましょう。
もし、どうしてもグラスを合わせたい場合は、そっと合わせて貰えると、店側としては非常に嬉しいです。

いかがでしたでしょうか?
どこのお店も口にはしないものの、絶対に心の奥底で思っていることには間違いないはずです(笑)。
お金をいただく以上、ご納得・満足していただくサービスを提供したいと思っていますが、利用する側にも一定のマナーはあると思います。

お店は、お客様と一緒に作っていく空間です。少しでも参考になれば、幸いです。


【お知らせ】 この記事をご覧の皆様に、投稿者 福岡さんのお店「BAR DEEP」よりお知らせです。

飲食店の明日をご覧の皆様へ。
当店へご来店の際に、「記事を見たよ」とスタッフへ言っていただければ、最初の1時間の飲み放題料金を25%OFFにてご案内させていただきます。
福岡いらっしゃった折には、是非お立ち寄りください。

BAR DEEP 店舗情報

■住所 : 福岡県福岡市中央区西中洲1−14 プロスペリタ西中洲6F
BAR DEEP オフィシャルサイト
https://bar-deep.com/

■営業時間 : 平日・金土・祝日前…21時〜4時30分
日・祝日…21時〜3時30分
※営業日については、Instagramにて確認ください。

■Instagram
飲み放題へのこだわりが日本一のBARです。
https://www.instagram.com/bar_deep_nishinakasu/
■お仕事や御相談などお問い合わせ
fukuhashi0101@fukuhashi.jp

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