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#15 Z世代従業員との経営ミーティング

Z世代との経営MTG

飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。

今回の講座のテーマは

Z世代従業員との経営ミーティング

です。

飲食に限らず様々な企業で、部門やチームごとに月次の定例MTGを開かれているかと思います。
特にZ世代など若手メンバーが多い組織では、その定例ミーティングの内容のメンバーへの共有や、各メンバーの日常の仕事への落とし込みが課題になってきます。

今回は、当店の月次定例MTGをケーススタディとして、Z世代とのコミュニケーションのリアルな実態と、そこから見えてきた問題や課題について解説していきます。

1.定例MTGについて

当店はバーという形態ですが、月次の定例MTGを開催しています。
飲食店の中には、毎日のちょっとしたMTGや、その場の会話で済ますところも多く、定期的に全員集まってミーティングを開くというところは少ないのではと思います。

しかしながら、お店を通して売上、利益を上げていくためには、社員、アルバイトなど全員の自分の働く場の経営(経営数字)への意識づけは、常に必要であるという考えです。

1-1.定例MTGで協議している内容

「そもそもどんな話をしているのか?」ということですが、当店の定例MTGの概要を大枠でお伝えすると…

  • 月間予算の達成率
  • 月間来店客数目標の達成率
  • 平均客単価目標の達成率
  • 個人目標の達成率
  • 行動指針に沿った行動ができているのか?の振り返り
  • 総評

という感じです。

1-2.定例MTGのスタイル

MTGのスタイルは、2部構成にしています。

1部は、上記内容をまとめたドキュメントを配付し、責任者が配付した資料の補足説明を実施。
2部は、仕事への向き合い方等、マインドに関わる内容を責任者から解説。

という流れで進めており、スタッフへの問いかけは行うものの、基本的には受講スタイルを取り入れています。

1-3. 目標設定とマネジメントについて

個人目標については、次月の目標数字をスタッフ自身で決めて、その後責任者と協議し決定という感じです。
お客様からお金をいただく仕事なので、アルバイトだろうとプロ意識を持って業務に勤めるように指導をしています。

売上を構築する仕組みとしては、

「個々の個人目標の数値が達成できれば、当店の月間予算を達成できる」

という仕組みを取り入れています。
営業会社の部、課、チームの数字マネジメントと同様です。

そして、これはどこの営業部門でもあると思いますが、
「全体の月間予算は達成できたものの、個々人の目標達成はバラツキがあったり、その逆もしかり」という、なかなか思うようにいかないという現状があります。

2.月次MTGで見えてきたZ世代の実態

本人達の仕事へのモチベーションと成績が連動していれば順調に成長してくれるのですが、問題なのは、

モチベーションは高いけど成績が連動していない時に、心が折れてしまう子が多い

と言うことです。

この現象はZ世代に限った話ではないですが、より顕著に傾向が見えます。

これまでZ世代に関連して色々と解説してきましたが、やはり「社会に出るまでの教育の影響」が要因としてあるのは間違いなく、一方で、令和のこの時代においても、「よくある体育会系の負けん気や自己成長意識がビジネスマンとして一定の評価を得る」ということは、今後も変わらないのではと思います。

3. Z世代の成長に必要なものは?

この課題に関しては未だ検証中であり、具体策が実行できていませんが、

数値化できることをできるだけ数値化し、自己分析を習慣化させる
⇒自分自身の弱み・強みを明確化していくルーチンワークを取り入れる。

ことが成長のトリガーなのでは?と考えています。

「モチベーション高く仕事をしているけど結果が出ないスタッフは、業務の取り組み方がどこか間違っている」
というのがほとんどで、やり方があっていれば間違いなく結果が出ます。
業務の取り組み方を間違ってしまうことは、誰でもあることなので何も問題がないのですが、
特にZ世代は、

「どこで間違ったのか可視化されたものがないと、振り返ることができないのではないか」

と推測しています。

これは一例ですが、当店ではお酒に関する学科試験を実施しているのですが、“間違いを指摘すると、その場で自分の回答を全て消してしまう”ということがあります。
えっ?と思われる方もいると思いますが、実はスタッフのほとんどがそうなのです。
間違った回答を書き残していないので、読み返した時に前回自分がなぜ間違ったのか、どこがとう間違っているのかがわからない。
結果、同じミスを起こし続けてしまうという負のループに入ってしまいます。

教育プロセス上、

自分がどこで間違っているのか?
なぜ間違ったのか?
何が正しかったのか?

本人自身が振り返りでできる環境を構築してあげる必要があります。
勉強でいうと、復習に取り組みやすくしてあげるという感じです。

また、Z世代は言葉の背景を読み取る力が低いので、言葉やテキストで指示を出しても伝わりません。
結果、思考が停止し、理解ができず、立ち止まって何もしなくなります。

そのような場合、

伴走支援で対話しながら、一緒に考えていくことが重要

なのです。

そして、もう一歩踏み込んだことで言えば、

相談しやすい環境を作る

ということが、Z世代を成長させるスタートなのかもしれないと考えています。

モチベーションの低下に直結する要因は、「行動ができないこと」で、行動ができない要因を取り除く行動が「人に相談をすることで解決する」というロジックです。
相談しやすい環境がどんな環境なのかは、人によって変わってくると思いますが、こちらも当店での最適解を見つけていきたいと思います。


■筆者 : 福岡裕記の記事紹介

本サイト「飲食業の明日」コーナーにて、福岡裕記氏による記事の中から、飲食店の経営課題に関連する記事をピックアップしました。

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