このシリーズの記事ではバーテンダーの私が、BAR初心者やウイスキーを初めて飲む人でも分かりやすいように、またお酒が飲めない小学生でも楽しめるような内容で説明しています。
そのため、厳密に言えば定義等が違うこともありますので、ご了承ください。
「こんなものなんだ!」と全体像を掴んでいただければ幸いです。
前回の記事では、お酒の分類について解説しました。
「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つがあり、工程と原料によって、分類分けされていく
ということでしたね。
概念的な例ですが、前回の記事の中ほどにある図をイメージしていただければOKかと思います。
今回解説していく工程は、熟成です。
この記事をご覧の皆様も、倉庫のような場所に木の樽が所狭しと並んでいる映像を見たことがある人もいると思いますが、まさにあの光景が熟成の工程です。
木の樽にも種類があり、どの樽で熟成させるのか次第で、味が大きく変わる
熟成の工程を端的に説明すると、
- 蒸留の工程で出来上がった無色透明のウイスキーを木の樽に入れる。
- 熟成庫といわれる倉庫に保管する。
という工程となります。
一見重要じゃなさそうに見える熟成の工程ですが、この熟成の工程がウイスキーの味わいを大きく左右していきます。
※実際には、倉庫内で熟成の場所を変えたり、熟成が進んでいるのか経過観察したり等、管理が非常に大変な工程です。
というかどの樽で熟成したのか次第で、ウイスキーの購入の是非を決めるといっても良いくらいバーテンダーは、どのような熟成の工程を踏んできたのかを重要視しています。
熟成の工程で語りたいことはたくさんありますが、長期熟成=濃い色をしていると勘違いされているお客様を良くお見かけするので、今回はウイスキーの琥珀色について言及していきます。
ウイスキーの色は、木の樽で決まる
結論からお伝えするとウイスキーの琥珀色は、蒸留の工程で出来た無色透明のウイスキーに、木の成分が溶け出した色になります。
では、その樽はどこで作られたものなのでしょうか?
実をいうとほとんどのウイスキーは、何かしらのお酒造りに使用された樽を再利用しています。
つまり、間伐してきた木から作った樽ではなく、一度お酒造りに使用された樽に蒸留で出来た無色透明のウイスキーを詰めて熟成しているということです。(※バーボンウイスキーを除く)
どの樽で熟成したのかをどこで確認できるのか?という話になりますが、ウイスキーのラベルや商品説明に記載されています。(※記載がないものもあります。)
具体的な例で説明すると、ウイスキーのラベルや商品説明に「シェリーカスク(Sherry Cask)」という表記が記載されていることがあります。
※樽は英語表記でカスクといいますので、シェリーカスク=シェリー樽ということになります。
これは、
シェリーというお酒を作った後の空き樽に、ウイスキーを詰めて熟成しました
ということを示しています。
※ちなみにシェリー酒とは、アルコール度数が少し高めのワインをベースとしたお酒です。
※結婚式等のお祝いの席で、食前酒として出てきます。
他には、バーボンカスクやワインカスク等があります。
バーボンカスクは、バーボンウイスキーを作った後の空き樽へ。
ワインカスクはワインを作った後の空き樽へ、同じようにウイスキーを詰めて熟成させています。
そのため、ワインカスクで熟成したウイスキーは、琥珀色というよりワインレッドのような色になります。
つまり、
熟成期間が長くなることで色が濃くなるのではなく、ウイスキーを詰めた樽が、以前どのお酒を作るために使用された樽なのかによって、ウイスキーの色が決まってくるということ
なのです。
ちなみに色が濃い色のウイスキーは、ペドロヒメネスと言われるブドウの品種から作ったシェリー酒の空き樽で熟成しているケースが多いです。
※ラベルには、Pedro-Ximenezの頭文字をとって、「PX」と表記されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事をご覧いただいている人の中にも、長期熟成=色が濃いと思い込んでいる人もいらっしゃったのではないでしょうか?
熟成の工程は、奥が深く、現代科学をもってしても解明できていないことがあります。
次回から、熟成の工程にまつわる諸説について言及していきます。
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