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糖の生成方法 / ウイスキーの魅力

このシリーズの記事ではバーテンダーの私が、BAR初心者やウイスキーを初めて飲む人でも分かりやすいように、またお酒が飲めない小学生でも楽しめるような内容で説明しています。

そのため、厳密に言えば定義等が違うこともありますので、ご了承ください。
「こんなものなんだ!」と全体像を掴んでいただければ幸いです。

前回の記事では、デンプンを糖に分解するアミラーゼ(酵素)の生成方法について解説しました。

発芽時、成長に必要な糖をデンプンから分解するために酵素を自ら生成する

ということでしたね。

発芽時、大麦は酵素を生み出す」ということを覚えていただければOKです。

今回は、お酒の正体である甘い汁が、どのようにして大麦から造られるのかについて解説していきます。

酵素が働きやすい環境を準備する

発芽後、熱風を当てて成長を止められた大麦には、デンプンと酵素が備わっています。
このデンプンと酵素を持ち合わせた大麦を細かく砕いた後、大きなタンクの中に入れます。
その大きなタンクに温水を入れ、デンプンと酵素を温水に溶け出させます。
温水の中でデンプンと糖が混ぜ合わさることで、酵素がデンプンを分解し始めます。

そうすることで、糖分を含んだ甘い汁が完成します。

麦の甘い汁のことを麦汁(ばくじゅう)と言い、この工程を「糖化」と言います。

蒸溜所にある麦芽を糖化させる糖化槽(仕込み槽)

ところで、「なぜ温水なの?」という疑問があると思います。
理由は簡単で、酵素が活発に動く温度だからです。
ちなみに温度は65度前後が一般的で、造りたいお酒の質によって温水の温度を上げたり下げたりします。
この温水に使用する水も、ミネラルが豊富な天然の良水が使われています。
この麦汁に酵母菌を投下しウイスキーの原酒の元になる発酵液を作っていく工程が、次回解説する「発酵」という工程になります。

いかがでしたでしょうか?

酵素が活性化しやすい環境下を作る」という視点が面白いですよね。
「従業員がやる気が出る環境を企業が整える」という観点では、ある意味一緒かもしれません(笑)。

次回はついに酵母菌の登場となりますが、酵母菌をただ投入すれば良いというわけではありません。
酵母菌に一生懸命働いてもらうために一手間かけていますので、解説していきます。


ここで、バーテンダー界隈の「とある説」をご紹介。

昔は、今より原料をたくさん使って製造していた?

ウイスキーはアルコール度数が高く、劣化しにくいお酒です。
そのため20年、30年前に製造されたウイスキーでも、飲むことが出来ます。
ウイスキーの飲み比べをする際、バーテンダー同士の会話でよく出る話題があります。

それは、

昔のウイスキーの方が美味しかった

という話です。

例えば皆さんがよく知っている角瓶も、昔に製造された角瓶と今の角瓶では全く味が違います。

ワインのように熟成するから昔の方が美味しいでしょう!と考えてしまうかもしれませんが、瓶詰めした後は、味に大きな影響を与えないと言われています。
一般論ですが、昔のウイスキーの方が長期熟成されたウイスキーのように味に奥行きがあり、舌触りも滑らかなことが多いです。
100%昔のウイスキーの方が美味しいのか?と言われると断言できないものの、ほぼ100%の確率で昔のウイスキーの方が美味しいと言えます。

なぜ今のウイスキーと昔のウイスキーでは味が違うように感じるのでしょうか?
セミナー等で各社メーカーの責任者へ質問をすると、

同じ時期に製造されたウイスキーでも、熟成した樽や環境等によって個性が異なる。今まで提供していたウイスキーと、できるだけ同じ味わいになるように調合している。

と回答をいただきます。

ですが、同じウイスキーでも

  • 70年代に製造されたウイスキー
  • 80年代に製造されたウイスキー
  • 90年代に製造されたウイスキー

を飲み比べすると、明らかに味が違うのです。
この味わいが違う理由は何なのか?

バーテンダー界隈でよく話にあがる理由が、

昔は、現在より原材料にコストをかけていた

という説です。

1970年代、80年代は、現代のようにデジタル・ITが普及していません。
人へ伝えるプロモーション活動の手段が限られていたため、広告宣伝費よりも品質・味わいを良くし、口コミで広げようという戦略だったのでは?という話です。
現在製造されているウイスキーが品質が悪いとは思いません。
しかし飲み比べすると、今のウイスキーの方がアルコール感が強く、味が薄く感じます。

これが真実なのかわかりませんが、筋は通っていますよね。
この味の違いは未だに謎に包まれたままです。
そして、真相に辿り着くことはないと思います(笑)。

製造年代によって味が違うとお伝えしましたが、ボトルデザインやラベルが変わったタイミングで味が変わる(と感じる)ことが多いです。

是非、機会がありましたら、一度飲み比べしてみてください。


【耳より情報】
老舗のウイスキーバーにいくと昔のウイスキーを今でも在庫として持っている場合が多く、飲み比べすることも可能です。
※福岡県・佐賀県の話でオススメのお店は、こちらです。
□福岡県福岡市:WHISKY BAR LEICHHARDT(ウイスキーバー ライカード)様
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40032278/
□佐賀県佐賀市:BAR YAMAZAKI様
https://tabelog.com/saga/A4101/A410101/41002565/

当店でも2種類程度であれば、昔のウイスキーと飲み比べできます。
もし興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にスタッフにお声かけください。

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【お知らせ】 この記事をご覧の皆様に、投稿者 福岡さんのお店「BAR DEEP」よりお知らせです。

飲食店の明日をご覧の皆様へ。
当店へご来店の際に、「記事を見たよ」とスタッフへ言っていただければ、最初の1時間の飲み放題料金を25%OFFにてご案内させていただきます。
福岡いらっしゃった折には、是非お立ち寄りください。

BAR DEEP 店舗情報

■住所 : 福岡県福岡市中央区西中洲1−14 プロスペリタ西中洲6F
BAR DEEP オフィシャルサイト
https://bar-deep.com/

■営業時間 : 平日・金土・祝日前…21時〜4時30分
日・祝日…21時〜3時30分
※営業日については、Instagramにて確認ください。

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https://www.instagram.com/bar_deep_nishinakasu/
■お仕事や御相談などお問い合わせ
fukuhashi0101@fukuhashi.jp

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