【英語への情熱 第5回】「頂上の良さは頂上を極めた者でなければ分からない」—ポジティブであり続けることの重要性

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語学

2021/02/26

【英語への情熱 第5回】「頂上の良さは頂上を極めた者でなければ分からない」—ポジティブであり続けることの重要性

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英語学習 = マラソン or 山登りと思う理由

いつ頃からか、私は英語学習、キャリア、人生をたとえるのに、マラソンや山登りを引き合いに出すようになりました。よく言われることですが、人にはそれぞれ自分が心地よいゾーン(comfort zone)が有ると思います。そしてマラソンや山登りはまさに、そのゾーンから抜け出さないとなりませんから、体力や気力で乗り切れるようになるまでに、最初は特に大変な努力が伴いますね。外国人とのコミュニケーションも同じだと思います。

家族や友人、同僚、生まれ育った故郷、勤め先、生まれた国など、慣れ親しんで比較的ラクな環境とは全く異なる(場合が多い)環境からやって来た人と、身近でありながら「外国の」言語である英語で会話を行うのはラクとは言えませんから、コンフォートゾーンから出ていく多少の勇気が必要と思います。ただ、ゾーンからあえて出て、走り続ける、登り続けることの素晴らしさというのも有ると思います。

20年以上前ですが、私が米国企業のマーケティングビジネスをしておりました時に、私の尊敬してやまない創業者の博士が年次大会のスピーチでこう言われました。

「山の景色がふもとと頂上では全然違う。頂上の良さは頂上を極めた者でなければ分からない」

私はその言葉に心から素直に納得し、登山する人の気持ちがすっと理解できたのです。マラソンなども、あれほど本人が(となぜか応援者も)苦しいスポーツはなかなかないと思います。今日はいいやの怠け心ややめたい気持ち、やらない理由、言い訳とまさに格闘の末、どうにか山頂やゴールにたどり着いた時に、今までの困難は忘れて、まさにそういう障害が有ったからこそ、「クセ」になるような達成感が味わえるのだと思います。ゴール地点だけでなく、そこを目指す過程として「見える景色」がどんどんと変わって行くのを楽しめるようになるのは、英語学習、英会話でも同じです。ぜひ今までのゾーンから飛び出て、自分自身に挑戦して行きましょう!

USPとは?

先ほど、私のマーケティング経験について触れました。この貴重な8年間を通じて、USP(Unique Selling Proposition = 「ユニークな売り」)の重要性を肌身で感じました。日本語でもセールスポイントと言いますね。これがはっきりしている企業の商品、サービスは分かりやすく業績も良いですし、その逆もまた然りと思います。顧客は商品やサービスのUSPは何か知りたいと思っています。そしてそのUSPの語り手である自分のUSPについて知り、伝えることが欠かせないということを知りました。

顧客は例えば、商品知識が豊富、業界経験が長い、信頼できるなど、顧客が魅力的に感じるUSPを持つ人には喜んでお金を払います。実は私たちは日常生活においても「自分はこういう人で、○○さんはこういう人だ」と相手に対する評価を無意識に行なっていると思います。もし自己評価が低く、「自分は意思が弱く、物忘れしやすく、話下手だ」(=>だから、英語が身に付かない、話せない)のように考えてしまい、何か不都合なことが起きるたびに、「ああ、やっぱり自分は意思が弱く、物忘れしやすく、話下手だ」(=>だから、どうしても英語が身に付かない、話せない)のような考え方に陥っていれば、それも相手に伝わります。

こういうネガティブな「思い込み」の強化、根拠ない低い「自己評価」は今すぐに消し去りましょう! 消し去るのが難しいようでしたら、自己肯定感を高める何かを「付け加え」て、少しずつでもそちらの比重が大きくなるようにしてはいかがでしょうか?

「自分は(ふつうは)意思が弱い(かもしれない)。(けれども、今回は英語をやると決めたのだから、頑張ろう!)」、「自分は(いつもは)物忘れしやすい(かもしれない)。(けれども、忘れてもいいからその分ドンドン覚えよう)」、「自分は(どちらかというと)話下手(かもしれない)。(けれども、その分話す内容で勝負しよう!)」等々。

何でも良いのです。そのうちにポジティブな「付け加え」がすっかり習慣になって、最初の低い自己評価はすっかり自分の「辞書」から消えているはずです。自分自身も十代の頃、未経験から来る狭い世界観の中で、自己評価は決して高いものではありませんでした。なぜここで「自己評価」の話を強調しているかと言いますと、高い自己評価は「自信」につながるからです。「自信」が有れば、あらゆる機会を捉えて、より良いものにしようと思うはずです。それが一層高い自己評価につながり、それがまた更に大きな「自信」の呼び水となります。「慢心」「うぬぼれ」は論外ですが、今まで数多くの学習者と接してきて、「英語を話す自信がありません」「全てに自信を持って取り組みたいです」という切実な願いを耳にする一方で、根拠のあるなしに関わらずポジティブな「思い込み」を持った者は強いのです。思い込んでいるうちに、良いことがドンドン起きてきて、「思い込み」に事実や経験が加わって「現実」になるということを「自信を持って」お伝えできます。

今の時代、物理的に出ていかなくても「遠隔で」多くの英語スピーカーと話せます。繰り返しますが、日本に居ながらにして「ボーダレス」、英語にどこまでも浸れるという、昔を思えば「パラダイス!」の日々も送れるのです。そう思う私のような英語パッション派は、珍しいかもしれませんが。

(次回は2021年3月5日(金)の予定です)

印田 知実

印田 知実

いんでん ともみ

上智大学文学部英文科卒業。外資系銀行、エアラインの役員秘書を経て、中近東(バーレーン)勤務。湾岸戦争直前に帰国翌日に元防衛庁統合幕僚会議議長の私設通訳兼秘書となる。一方で平成3年に有限会社メドフェインターナショナル設立。各国語の通訳、翻訳を中心に、語学人材を派遣する委託業務も行なう。自ら通訳(マーケティング、医学/製薬、製造、官公庁、アカデミック等、分野を問わず)、翻訳にて、国内外を飛び回る傍ら、...

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