【ワインのたしなみ 特別編その5(前編)】ゲスト:平山美春さん「せっかく素晴らしいワインがあるのに、その魅力を伝えなかったら、もったいないですよね」

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酒と料理

2022/05/19

【ワインのたしなみ 特別編その5(前編)】ゲスト:平山美春さん「せっかく素晴らしいワインがあるのに、その魅力を伝えなかったら、もったいないですよね」

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「おいしい!」から始める、毎日をちょっとだけ楽しくするワインのたしなみ~ワインに恋して、Happyになる~

ワインを楽しんでみたいけど、ちょっと敷居が高い……そう感じている方、とても多いのではないでしょうか。私もワインを学ぶ前の20代前半の頃はそうでした。でも大丈夫。知識があろうとなかろうと、私の周りのワイン女子のみなさんは、様々な方法でワインを日々エンジョイしているようです。彼女たちがどんなキッカケでワインを好きになり、今はどんな楽しみ方をしていて、どんな悩みや疑問を持っているのか。インタビューを通じて皆さんのリアルなワインライフを探ってみました。

5人目のゲストはファッションモデルであり、フランスにも造詣が深い、平山美春さんです。私にとってはワイン仲間であり、元受講生であり、公私ともに付き合いがあります。

フランスに魅せられて

平山美春さん(以下、平山):平山美春です。宜しくお願いします。

【平山美春さんのInstagramのアカウントはこちら

平山美春(モデル/事業家)
フランスに合計5年留学し、結婚を機にモデル業(CanCam 専属モデルを7年経験)を休止。現在は夫の仕事をサポートし、様々な事業に従事。フランス留学中に贅沢な環境でワインが飲めることを自覚し、シャンパーニュやブルゴーニュなども訪問しながら少しずつ勉強。現在はマリアージュや、自分が本当に好きな味を追い求めている。

瀬川あずさ(以下、瀬川):美春ちゃん、よろしくお願いします。美春ちゃんはワインが大好きで、普段から色々楽しんでいるし、お勉強もされていて。前にワインスクールに通ってくれていたこともあるんです。

しかも昔フランスに住んでいらしたので、今回は現地でのワインにまつわるエピソードなども聞きたいなと思っています。

編集部 近藤淳司(以下、近藤):そうなんですね! 平山さんがとてもワインにお詳しいとは瀬川さんから聞いています。そして僕も2005年から2009年までパリに住んでいたので、お話を伺えるのを楽しみにしていました。宜しくお願いします。簡単に自己紹介をしていただけますか?

平山:仕事は、もともとモデルとして活動していたのですが、今は少しお休みして新しい活動に向けての準備をしているところです。高校時代の2003年~2005年、あとはモデル時代の2014年~2016年の間はフランスに住んでいました。

ワインはあずさちゃんのスクールに通って基本的なことは学んだのですが、それ以降は独学なので、これからもっと勉強したいなと思っています。

近藤:最初のフランス滞在期間は高校生だったのですね。でしたらその時は、ワインは飲めなかったということですよね?

平山:そうなんです。ちょっと香りを楽しませてもらったり、ワイナリーが造ったブドウジュースを飲ませてもらったりはしていましたけど。当初住んでいたのはパリではなくてロワール(※)だったんですね。そこが有名なワイン産地であることをホームステイ先で初めて教えていただき、少し関心をもちました。

実際ブドウ畑が広がる場所も近くにありましたし、ワインは飲めなかったけれど身近な存在でした。しかも現地では16歳からお酒が飲めるので……周りが羨ましかったですね(笑)

※ロワール地方

中央高地からフランス北西部を大西洋に向かって流れるロワール川流域に広がる広大なワイン産地。スパークリングワイン、辛口~甘口の白ワイン、ロゼワイン、赤ワインなど様々なタイプのワインが生産されています。

瀬川:ロワールに住んでいたなんて、素敵! とっても風光明媚なところだよね。そのあと一度日本に戻ってから、また再度フランスに渡ったのは何が目的だったの?

平山:ロワールは素敵なところだったけれど、やっぱり田舎だから……一度パリに住んでみたいという思いが強くなって、2回目の渡仏を決めたの。言葉も使わないと忘れちゃうし。それで、パリの語学学校に通いながらアートスタジオのリトグラフ工房にインターンで働かせてもらったの。

瀬川:そう、美春ちゃんは、食だけじゃなくてアートにも造詣が深いんです。ところで、ワインが好きになったのは、やっぱりフランスにいた時に?

平山:そう。フランスで生活していると、ワインって日常生活に必要不可欠な存在で。スーパーマーケットに行っても日本では考えられないくらいワイン売り場が充実していて、棚一面にワインが並んでいるの。

しかも値段も安くて、2~3ユーロくらいあれば結構ちゃんとしたワインが楽しめたりするんだよね。それで「せっかくこんな環境にいるんだったら、もう少しワインに詳しくなりたいな」という欲求がでてきて……。

瀬川:それは本当に恵まれた環境! ワインを楽しまないワケにはいかないよね。そのあと日本に戻ってきたとき、環境のギャップを感じたりはした?

平山:それはすごく感じたかも。ワインの味わい自体はそんなに変わらないかもしれないけれど、値段も高いし、スーパーに売っているワインの種類も限られているし……現地に比べたら、やっぱり日本ではワインが日常に溶け込んでいるとはまだ言えないかな。

それでもワインは好きだから、なるべく色々なものを探して、試してみたいとは思っているんだけれど……。

平山流! 表現力の磨き方

瀬川:確かに、日本だとワインは「特別なお酒」とか「高級なお酒」というイメージが先行しがちだよね。だから味わうのはもちろん、ワインについて話したり表現したりすることにも躊躇(ちゅうちょ)してしまう人が多い気がしているのだけど……それは日本人の国民性の問題なのかな?

美春ちゃんはフランス滞在が長いから、自然にワインを楽しめているような気がするけれど。

平山:いや、私も「この表現で合っているのかな」とか、不安に感じることはしょっちゅうあるかな。

フランスに住んでいた時は、まず「美味しくて雰囲気に合ったワインが選べていたらそれで十分」っていう大前提があって。みんなけっこう議論が好きだから、一つのワインに対して感じたことをみんなが色々言い合うのだけれど、「間違っていたらイヤ」とか、そんな気持ちは全く持たずに、誰もが自由に思ったことを発しているから、それがすごく心地よかった。

でも日本に帰ってきたらなんとなく、間違ったことを言うのが恥ずかしいなと思うようになったかも。

瀬川:それって日本の空気がそうさせるのかな。恥じらいの文化というか?

平山:確かにそれは大きい気がする。でも、最近はちょっとずつ考え方を変えるようにしていて。ブラインド・テイスティング(※)をしても結構みんなはずすこともあるし、日本のワイン仲間の会でも間違いを楽しめるようなシーンも多くなってきて……。

そういう場面に遭遇すると、ワインの捉え方って人それぞれの「個性」で、それを認め合って楽しめたらいいのかなって、ようやく思えるようになってきたかも。だから最近はなるべく感じたことを自分の言葉に出すようにしてる。

※ブラインド・テイスティング:ワインの情報を隠した状態で、テイスティングをおこない、ブドウ品種、産地、収穫年、製造方法などを推測していくこと。

瀬川:素敵! まさに今そういうことを伝えたいと思っているんだよね。

私もブラインドではずすこともあるし、その時は「恥ずかしいな」って思うこともあるけれど、それはそれで、間違った理由とか、その答えに至ったアプローチを探っていくと、面白い発見があるんだよね。でも今の段階でその境地に至っている美春ちゃんがスゴイと思う。

平山:間違えるのは恥ずかしいことだけど、その殻を破る最初の一歩って、ちょっとしたことだから……そういうのを気兼ねなく言い合えるワイン仲間とか友達がいれば、きっともっと自由に表現できるようになれる気がする。

瀬川:間違えを気にしないで色々言い合える仲間! それすごく重要かも。

近藤:ここで改めて確認したいんですけれど、ワインを味わった感想を声に出して言うことって何の為にされているんですか?

平山:そうですね。自分が感動するワインに出会った時に、それを伝えたいし共有したいからだと思います。

せっかく素晴らしいワインがあるのに、その魅力を伝えなかったら、もったいないですよね。もちろん、最初は「美味しい」だけでもいいんですけれど、そのうち、その感動をもっと明確に、より具体的に表現したくなるというか……。

近藤:なるほど。表現するのって難しいと思うんですけれど、どうやって表現力を身に着けてきたのですか?

平山:いや、最初は本当にフワッとした表現しかできなくて、そこから始めたんです。

たとえば「このワインはキレイだよね」とか「透明感があるよね」とか。それから『神の雫』(※)を読んだ時に「ワインを女性に例えるのが素敵だな」と思って、実践したりもしました。「このワインは繊細だけれど芯の強さがある美人さん」みたいな。

あとは、「鮮やかなグリーンを連想させる香り」とか、色に例えることもあります。

※『神の雫』

亜樹直(原作)、オキモト・シュウ(作画)による、ワインをテーマにした漫画作品。従来の表現方法に則らないオリジナリティあふれる表現が、多くの読者に受け入れられ大人気作品となる。全世界で累計1000万部を突破している。

近藤:確かに、そうやって声にだしてみて、相手に共感してもらえたら、ワインでコミュニケーションをとることがもっと楽しくなりますね。

瀬川:本当に! 美春ちゃんは、美意識も高いしアートの勉強もしていたから、やっぱり表現がとてもアーティスティックでキレイなんですよね。ワインの表現ってその人の感性とか人柄が出るから、すごく面白くて。

ソムリエさんでも、データに基づいたロジカルな解説をする方もいれば、童話の語り手みたいに叙情的な表現をする方もいて、どちらも間違っているわけではなくて、それぞれの表現の「個性」なんですよね。

平山:私もそう思う。私は詳しいことは話せないので、どちらかというとロジカルな表現はソムリエさんにお任せしていて。そうじゃない部分で自分の感性を交えた表現を、少しずつ磨いていきたいなって日々思っている。

瀬川:そういう風に、自分ならではの表現の仕方を確立できているのは素敵だと思う!

ワインで人生をより美しく!

ワインへの第一歩を踏み出すには?

近藤: ちょっと伺いたいのですが、平山さんはフランスに住んで、現地の友人にも恵まれていて、ワインを自然と身近に感じられるようになったと思うんです。でもそうではなくて、今からワインを楽しんでみたいという20代~30代女性だったら、どんなことから始めたらいいと思いますか?

平山:そうですね。日本でもワインを気軽に楽しめるお店って増えてきているので、そういう場所に積極的に通ってみると良いと思います。私が好きなのは、虎ノ門ヒルズの『虎ノ門横丁』のHAND PICKING WINEというワインバー。

相談しながらワインを選んでその場で飲んでもいいし、虎ノ門横丁内の店舗のお店に持ち込んでもいいし、色々な楽しみ方ができるんです。ペアリングの相談にも親身にのってくれるので、とても勉強になるんですよね。

瀬川:私もそのお店大好き! セラーからワインを自分で選ぶ感覚が楽しいよね。

平山:あとは、ワインに興味がある友達とワインを持ち寄るのは、とてもいい経験になると思います。

あずさちゃんのワインスクールに通っていたとき、初心者クラスでも、授業の後にクラスのみんなでワインを持ち寄って共有しながら楽しんでいたのですが、そういうのって大切だなと。それを繰り返していけば、ワインの経験も積みながら、コミュニティも広げていけますし……。

近藤:なるほど。瀬川さんはいかがですか?

瀬川:ワインライフを楽しむ第一歩を踏み出したいのなら、是非ワインスクールに来てほしいですね。なんか宣伝みたいになってしまいますけれど(笑)、仲間もできるしそれは一番の近道だと思います。

スクールに通う余裕がない方は、いまは様々なワインイベントやレストランでのペアリング企画などが充実しているので、そういった会に顔を出してみるのもオススメです。

コロナ禍の影響でなかなかイベントが開催できない状況ではありますけど、生産者をお招きしたメーカーズディナーとか、本当に勉強になるし、造り手の想いを知ってワインを味わうとより一層味わい深くなります。

近藤:なるほど、確かにそういうイベントだと勉強にもなる上に、ワインを愛する方々とのステキな出会いがありそうですね! コロナ禍が終息したら是非そういう会に足を運びたいものですよね。最近はオンラインのイベントなどもあるんですか?

瀬川:オンラインだとイベントというより、セミナー的なものが多いかもしれません。現地の生産者さんやゲスト講師をつないで、解説を聞きながらワインを学ぶスタイルですね。

あとはSNSでLIVE配信をする生産者や専門家もいます。最近はみなさん様々なツールで様々な発信をされていて、追いかけているとなかなか楽しいですよ。

(後編へつづく)

元CanCam専属モデル、そして現在は事業家としてご活躍! 平山美春さんのInstagramのアカウントはこちら

今回のゲストトークで話題になった「ペアリング」(マリアージュの考え方と関連があります)については、本連載の中でもテーマとして取り上げています。ぜひご覧ください。

【ワインのたしなみ 第1回】「ワインとの食べ合わせ(マリアージュ)を教えてください!」

(記事は木曜に更新します。次回は2022年5月26日(木)配信予定です。)

瀬川 あずさ

せがわ あずさ

仙台市出身。聖心女子大学卒業後、施工会社の秘書を務め、多くの飲食店のリーシングや施工業務に携わる。その後、趣味が高じてワインや日本酒、食に関する様々な資格を取得。その資格を活かし、記者・ライター業、飲食コンサルティング業などに従事する。2014年、食に特化したリレーションサービスを提供する株式会社食レコの代表取締役に就任。また2020年には、人材紹介や翻訳サービスを行うレピュニット・ラボ合同会社を...

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