【ワインのたしなみ 特別編その4(後編)】ゲスト:嶋理紗子さん「これからも、人の出会いもワインの出会いも大切にしていきたいな」

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酒と料理

2022/04/28

【ワインのたしなみ 特別編その4(後編)】ゲスト:嶋理紗子さん「これからも、人の出会いもワインの出会いも大切にしていきたいな」

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「おいしい!」から始める、毎日をちょっとだけ楽しくするワインのたしなみ~ワインに恋して、Happyになる~

ワインを楽しんでみたいけど、ちょっと敷居が高い……そう感じている方、とても多いのではないでしょうか。私もワインを学ぶ前の20代前半の頃はそうでした。でも大丈夫。知識があろうとなかろうと、私の周りのワイン女子のみなさんは、様々な方法でワインを日々エンジョイしているようです。彼女たちがどんなキッカケでワインを好きになり、今はどんな楽しみ方をしていて、どんな悩みや疑問を持っているのか。インタビューを通じて皆さんのリアルなワインライフを探ってみました。

前回に引き続き、私の大切な飲み仲間、ご夫婦でワインのある生活を楽しんでいる嶋理紗子さんにお話を伺いました。

「造り手」を知る楽しみ

瀬川あずさ(以下、瀬川):ワインショップでワインを選ぶときは、お店の方に聞いたりして買っているの? 何か心がけていることってある?

嶋理紗子さん(以下、嶋):知識がまだ少ないからお店で勧められたのをつい買ってしまうのだけど、それって自分が飲みたいのとはちょっと違ったりすることも多くて。それで、最近思ったのが「生産者」を知るのって大切だということ。やっぱり好きな生産者が見つかると、そのワインって、高級なのでもカジュアルなのでも自分の口に合うんだよね。

【嶋理紗子さんのInstagramのアカウントはこちら

嶋理紗子(高津文美子式フェイシャルヨガ協会認定アドバンスインストラクター)
立教大学卒業後、化粧品会社にて商品開発を担当。第二子出産を機に退職し、しばらく子育てに専念。現在はフェイシャルヨガインストラクターとして活動中。大学時代にフランス留学の経験がありファッションとワインが好き。

瀬川:好きな造り手を見つけることってとても大切だと思う。きっとその造り手さんと感性が合うから、それぞれの価格帯の中で美味しく楽しめるんだろうね。

嶋:でも有名な大御所の生産者ってお値段もそれなりにするでしょ? だから注目の若手生産者でオススメがあったら知りたいかも。

瀬川:好きな生産者の元で修業をしたお弟子さんとか、好きな生産者の親戚とかを試してみるのはアリかも!

たとえばブルゴーニュの白ワインを代表する「ドメーヌ・ルフレーヴ」ってあるでしょ。このドメーヌの名声を不動のものとしたと言われるのが、すでにお亡くなりになったヴァンサン・ルフレーヴという方なのだけど、その甥っ子さんが立ち上げた「オリヴィエ・ルフレーヴ」はオススメだよ。ラインナップも豊富だし、品質も安定していて、良心的で。

嶋:それは今度試してみたい! 情報ありがとう。

編集部 近藤淳司(以下、近藤):瀬川さんは、そういう情報ってどこから仕入れているんですか?

瀬川:インポーターさんの試飲会で知ったり、ワイン専門誌を読んだり、ワイン仲間から聞いたり……色々です。私はワインを仕事で扱うのでそういった情報は入りやすいのかもしれません。いずれにしても常にアンテナを張っておくのは大切だと思います。私も興味深いワインに出会ったら、授業で共有したりしています。

近藤:そうですか。では瀬川さんに聞けば分かるということですね。SNSではそういう情報発信していますか?

瀬川:全部ではないですけれど、結構ワインの投稿はしていますよ。Instagramは基本食事とワインがメインなので、ゴハンに紛れて色々なワインを載せています。

近藤:では瀬川さんのインスタグラムを拝見するようにしますね。

瀬川:食いしん坊日記みたいで恥ずかしいのですが……是非フォローお願いします(笑)

ワインを学んで気づいたこと

瀬川:理紗子ちゃんは私が講師を務めるワインスクールに来てくれていたとき青木先生クラスだったけれど、新しい発見ってあったかな?

嶋:一番勉強になったなと思ったのが、やっぱり表現の仕方かも。レストランで、好きなワインをどうやったら出してもらえるかとか、タンニンの強さの言い表し方とか。そういう表現を学べたから、以前よりは、自分の好きなワインを的確に言葉で伝えられるようになったよ。

瀬川:それはすごく嬉しい。「どのように表現すればいいのか分からない」とか「表現するのが恥ずかしい」っていう悩みを持っている方は結構多いから、そこを既に克服できているのは強いよね。そうやって勉強して生活も結構変わったりしたかな?

嶋:うん、すごく変わった! 主人がワイン好きだから2人で色々飲むのだけど、「このワインはこんな特徴があるよね」とか「このワインは前に飲んだ時と比べて印象が違うよね」とか、色々なワイン談義ができるようになったよ。以前はただ「美味しいね」だけだったのに、会話できるようになって、更に一緒に楽しめるようになったかも。

瀬川:それはとっても素敵!

嶋:ワインスクールに初めて足を運んで体験セミナーに行ったときなんだけど、その時担当してくれた岩崎先生が「ワインを知ってるといいワインが寄ってくるよ」って話されてたの。それがすごく印象的で「じゃあ学びたい!」って思って。まだまだ勉強は必要だけど、今となっては「本当にその通りだな」って実感してる。

瀬川:それはすごくよく分かる。やっぱりいいワインって一人で飲んでも楽しくないし、だれかと共有したいもんね。でもせっかく一緒に味わうのなら、そのワインの魅力や価値を分かってくれる人のほうが嬉しいし……。

近藤:いまのお話を聞いていて思ったのですが、例えばレストランでソムリエさんのサービスを受けるときも、ワインのことを何も知らないゲストより、ある程度知識があるゲストのほうが、いいワインや掘り出し物のワインを勧めてもらえる可能性が高くなりそうですよね。

瀬川:確かにワインを知っていたほうが、会話も弾むし、ソムリエさんと仲良くなれますからね。

嶋:しかも、そこから更に教えてもらえる!

瀬川:そうそう。レストランが学びの場になるんだよね。ワインの解説ってソムリエさんによって全然アプローチが違うから、レストランでのプレゼンテーションは本当に勉強になるかも。短い時間で、相手に合わせてそのワインの特徴や魅力を端的に伝えるって、結構大変なことだから……。

近藤:瀬川さんも勉強になるんですね。

瀬川:もちろんです。どちらかというと、ソムリエさんが初心者向けにどんな解説をされるのかっていう部分にとても興味があるのですけど、ワインの講師をしていることがバレると(?)皆さんあまり解説してくれなくなるんですよね(笑) 「ご存じと思いますが……」みたいな感じで。私は色々なソムリエさんのトークを聞いて勉強したいので、実はそれがちょっと寂しいです。

嶋:そんな悩みがあったとは……。のんべえ会の時は分からなかった(笑)

人生に彩りを!

ワインとの「出会い」を大切にする

瀬川:理紗子ちゃんはシャンパーニュとブルゴーニュが好きって言ってたけれど、それは旦那さまの影響?

嶋:そう、特にブルゴーニュは実際に訪れたことがあって、畑を見てしまったから……。主人はもう魅了されてしまっていて。ワインって食事と同じで年齢によって好みって変わってくると思うんだけど、私も今の自分達の歳にはブルゴーニュが合っているんじゃないかなって思ってる。もちろん、食事によっては、ボルドーとかイタリアとかスペインワインも飲むけれど。

瀬川:確かに、一度コート・ドール(※)を訪れたら虜になってしまうんだよね。そしてブルゴーニュワインは、穏やかで味わい深くて、今の私たちのアラフォー世代にファンが多いかも。シャンパーニュはどんな時に飲むの?

※コート・ドール

「黄金の丘」という意味を持つ、ブルゴーニュの中でも特出した素晴らしいワインを生み出すエリア。偉大な赤ワインの産地と言われる「コート・ド・ニュイ地区」と偉大な白ワインの産地と言われる「コート・ド・ボーヌ地区」からなる、約50kmにおよぶ細長い丘陵地。

嶋:シャンパーニュは日常的に飲んでしまうかも。中華の時とか、何に合わせれば分からない時はとりあえずシャンパン(笑)

瀬川:それはいいね。シャンパーニュは幅広く合わせられるし、洗練されているし。さっき理紗子ちゃん、「生産者が大切」って言っていたけれど、好きな造り手っている?

嶋:ほんとは、ジャック・セロス(※)が好きだけれど、そんなにしょっちゅう飲むわけにはいかないから、ちょっとお手頃なのを調べてみようと思っている。

※ジャック・セロス

平均年産僅か4,000ケースの芸術的なシャンパーニュを造り出す、シャンパーニュを代表するカリスマ生産者。現当主アンセルム・セロス氏は「良いシャンパーニュは良いワインからしか生まれない、また良いワインは土地と気候と優れた栽培家に恵まれた葡萄でしか造れない。」と語り、自らの手で葡萄畑の土造りから出荷までを実践しています。

瀬川:セロス、素晴らしいよね。やっぱり好きなワインを飲んだ時って気持ちがアガる?

嶋:もちろん! もうそれを楽しみに生きてるし、頑張れる(笑)

瀬川:すごく分かる。私も素晴らしいワインに出会えた時は「こんなワインを味わえたんだから明日からまた頑張ろう」って思えるんだよね。自分にとってはワインってガソリンみたいな感じ。日々活動するためのエネルギー源。

嶋:うん。本当にそう思う!

瀬川:しかも工業製品と違って、造り手さんが一生懸命ブドウを育てて、技術力を駆使して醸造して完成する農作物でしょ。ヴィンテージごとに味わいも違うし、ボトルによる個体差もあるから、そこが面白いんだよね。いざ、開けた時に必ずしも心を開いてくれるとは限らないし、イメージ通りじゃない時もあるし。

嶋:だからこそ、素晴らしい状態で楽しめた時って感動するんだよね。

瀬川:そこがワインの面白いところだよね。スマホだったら欠陥品を除けばすべての商品は同じように使えるし、同じ操作をすれば反応は決まっているけれど……。同じ銘柄の同じヴィンテージのワインが違った表情見せることってたくさんあるからね。理想通りにはいかないから、ワインとの出会いって恋愛によく例えられるんだろうけど(笑)

嶋:ワインって人間みたい。だからみんながどんどんハマってしまうのかもね。

近藤:さて、話も尽きないところで残念ですが、終わりの時間となりました。最後に伺います。ワインをこれから楽しみたいと思っている20代、30代の方に向けて、何かアドバイスはありますか? 

嶋:私がアドバイスなんて、恐縮ですけど……。過去の自分の反省としては、あんまりワインのことを知らないまま「美味しい、おいしい」って飲んでいたなぁと。それがもったいなかったと思って。だから少しでもワインに興味があるのだったら、一本一本の出会いをもっと大切にしてほしいかなと。少しそのワインについて調べてみるとか、「美味しい」以外のコメントを考えてみるとか。そうやって、ワインの世界に怖がらずに足を踏み入れてみれば、自分の体験が宝物になっていくと思うので。

瀬川:今振り返ってみて「あの時飲んだワインって素晴らしいものだったんだな~」って思い出せても、当時はよく分からなくって「飲みやすい!」とか言いながらスイスイ飲んでたことってあるよね。その記憶がまだあるだけいいけど、きっと記憶にすら留められていない素晴らしい体験って色々あったのだろうなと思う……(反省)。

嶋:ワインって音楽とかアロマと似ていて、ちゃんと記憶に留めておけば、同じ銘柄を飲んだ時に、その時の情景や思い出を呼び戻してくれるものだと思うんです。だから、これからは生活の中でしっかりワインを記憶に刻んでいきたいなと。

近藤:そうですね。「ワインは人間みたい」という話になっていましたが、我々も今よりも若いころに色々な人との出会いがあって、その出会いを大切にすることで、築けていけたものって沢山あると思うんです。だからワインとの出会いも大切にすれば、きっとなにか素晴らしいものが残るはずですよね。

瀬川:本当に、出会いは一期一会だって思います。私も今日改めて、随分前の理紗子ちゃんとの出会いが、お酒のご縁でずっと繋がって、こうして今も一緒にワインについて語らえることが、幸せだなと思った。

嶋:本当に! これからも、人の出会いもワインの出会いも大切にしていきたいな。今日は色々な気づきをありがとう。

瀬川:こちらこそ、貴重なお話を沢山ありがとう。また近々、「のんべえ会」で会いましょう!

(完)

後日談

嶋:ワインとお寿司のマリアージュを試してみました。初めての体験でしたが、今までお寿司とワインは合わないのでは?と決めつけていた概念が崩れて、ワインの新たな楽しみ方を知る事ができました!


フェイシャルヨガインストラクターとしてご活躍! 嶋理紗子さんのInstagramのアカウントはこちら

今回のゲストトークで話題になった「ブルゴーニュワイン」については、本連載の中でもテーマとして取り上げています。ぜひご覧ください。

【ワインのたしなみ 第3回】「ブルゴーニュワインってどんなワインですか?」

(記事は木曜に更新します。次回は2022年5月5日(木)配信予定です。)

瀬川 あずさ

せがわ あずさ

仙台市出身。聖心女子大学卒業後、施工会社の秘書を務め、多くの飲食店のリーシングや施工業務に携わる。その後、趣味が高じてワインや日本酒、食に関する様々な資格を取得。その資格を活かし、記者・ライター業、飲食コンサルティング業などに従事する。2014年、食に特化したリレーションサービスを提供する株式会社食レコの代表取締役に就任。また2020年には、人材紹介や翻訳サービスを行うレピュニット・ラボ合同会社を...

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