【ワインのたしなみ 第5回】「ワインの『エチケット』って何のことですか?」

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酒と料理

2022/03/17

【ワインのたしなみ 第5回】「ワインの『エチケット』って何のことですか?」

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「おいしい!」から始める、毎日をちょっとだけ楽しくするワインのたしなみ~ワインに恋して、Happyになる~

Q. ワインの「エチケット」って何のことですか?

A. ワインボトルに貼られている、産地や生産者、ヴィンテージ(ブドウ収穫年)が書かれた「ラベル」のこと。飲み手にとっては、ワインの貴重な情報源です。

ワインのボトルに貼ってあるラベル。専門家やワインに詳しい人の多くは、フランス語で『エチケット』と呼びます。

その語源は、礼儀作法を意味するエチケットと同じとされているのだそう。もともとは、宮廷に立ち入る際に守るべきことを書いて貼りつけた札のことを指した言葉で、そこからワインに貼り付けるラベルもエチケットと呼ばれるようになったのだとか。

エチケットに記載されている情報のほとんどは原語で表記されているため、解読不可能という印象を持ってしまいがち。でも要点さえ押さえておけば、目にしているうちに内容を捉えることができるようになります。

更に、エチケットのデザインからは、その造り手の感性やセンスが垣間見ることができ、ワイン選びにも役立ちます。

 

瀬川のオススメ!

M.シャプティエ ペイ・ドック ブラン(M. Chapoutier Pays d’Oc Blanc)

・生産者:M.シャプティエ (M. Chapoutier)

・産地:ラングドック・ルーション地方

南仏のローヌ地方はじめ、銘醸ワインの生産者として名高いM.シャプティエ社が手がける白ワイン。同社は1996年より、すべてのワインのラベルに点字を採用。

「視覚に障害を持つ方々を含めたすべてのワインラヴァーにワインを楽しんでほしい」という思いが、このエチケットに反映されています。シャプティエ社のワインは高級なものからカジュアルなものまで幅広いラインナップがありますが、ペイ・ドックは最も手に届きやすいワインのひとつ。

味わいは親しみやすくフードフレンドリー(幅広い料理に馴染みやすいさま)で、肩肘はらずに楽しめる1本です。エチケットに付随するストーリーも美しく、ワインの楽しみが広がります。

コラム~ワインを物語る“エチケット”を紐解く

いつどこで、どんなブドウから生まれて、どんな人に醸されてきたのか……様々な情報が記載されているエチケットは、まさにワインの「履歴書」と言っても過言ではありません。その履歴書から読み解くべき、特に大切なポイントをご紹介します。

ポイント①これだけは知っておきたい、生産者と生産地

エチケットには必ず、ワインを造った“生産者”と造られた場所である“生産地”が書かれていますが、これらはワインを選ぶ時に最も大切な情報になります。

少し混乱しやすいのは、ワイン名が“生産者”の場合と、“生産地”の場合があるということ。例をあげてみると、ボルドーワインの場合は“シャトー・マルゴー”とか“シャトー・ラトゥール”という名称が大きく表記されますが、これらは造り手の名前です。

一方、ブルゴーニュワインの場合は、“シャンベルタン”という畑の名前や“ヴォーヌ・ロマネ”という村の名前、つまり造られた場所の名が最も大きく記されているのです。

それぞれのワイン産地によって重要視している部分が異なり、エチケット表記の仕方も変わってくるということを、意識しておくと良いでしょう。

チリやアメリカ、オーストラリアなど“ニューワールド”(大航海時代以降にワイン造りを始めた、比較的新しいワイン生産国のこと)と呼ばれる産地のワインには、使われているブドウ品種がしっかり記載されていることが多いので、好みの品種を見つけておくと、ワイン選びも簡単です。


ポイント②ワインの年齢を知る

大抵のワインには、“ヴィンテージ”と呼ばれる年号がエチケットに表記されています。

これは、ワインに使われている原料ぶどうが収穫された年のこと。例えば、2021年に“2000”と書かれているワインを目にしたら、ぶどうが収穫されてから約21年を経ていることになり、「ある程度熟成しているだろう」と推測することができます。

一方、“2018”と表記されていた場合は「フレッシュで若々しい味わいかも」とイメージすることができるでしょう。

いくら素晴らしいワインでも、時期が早すぎたり、熟成のピークを超えてしまったりすると、本来の美味しさが楽しめない場合もあります。

また記載された年が、ワイン造りにとって恵まれた年だったのか、そうでなかったのかも大切なポイント。

気候に恵まれた素晴らしい年は「グレイトヴィンテージ」と呼ばれ、その年のワインは特に重宝されます。ヴィンテージはワインの状態や飲み頃を探るヒントになりますから、ぜひチェックしてみましょう。

とはいえ、「いつが飲み頃なのか見当がつかない!」という方もいらっしゃると思いますが、心配ご無用。今では、“ヴィンテージチャート”と呼ばれる、当たり年や飲み頃がリスト化されている表が色々なところで公開されていています。インターネットでも簡単に検索できますから、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント③ジャケ買いのススメ

ワインをしっかり勉強している方には、あまりお伝えしないのですが、エチケットに惹かれたワインを試してみるという『ジャケ買い』も個人的にはオススメです

私の学生時代には、今のような音楽配信サービスが無かったので、メジャーな曲以外は気軽に試聴することができず、CDジャケットのデザインを見て気に入ったものを購入することも多々ありました。

適当に選んでいたのですが、実際に曲を聴いてみると、なかなか好みのテイストだったりするのです。冒頭でも少しふれたように、ワインのエチケットデザインも、造り手の感性やセンスが絶対に反映されているはず。

だから、ビビッと来たものがあれば、是非試しに味わってみることをオススメします。そこでイメージと違ったとしても、それもまた勉強。その積み重ねによって、自身のインスピレーションを刺激してくれる、新しいワインとの出会いがきっと生まれるはずです。

 

いかがでしたか? ちょっと難しそうな“エチケット”の解読ですが、分かる単語から少しずつ自分のモノにしていき、楽しみながら読み解くことが大切。ご紹介したポイントを意識しながら、エチケットを眺めるだけで、少しずつ体系だった情報収集ができるようになるはずです。一通り読めるようになった時には、さらに奥深いワインの世界があなたを待っています。

(記事は木曜に更新します。次回は2022年3月24日(木)配信予定です。)

瀬川 あずさ

せがわ あずさ

仙台市出身。聖心女子大学卒業後、施工会社の秘書を務め、多くの飲食店のリーシングや施工業務に携わる。その後、趣味が高じてワインや日本酒、食に関する様々な資格を取得。その資格を活かし、記者・ライター業、飲食コンサルティング業などに従事する。2014年、食に特化したリレーションサービスを提供する株式会社食レコの代表取締役に就任。また2020年には、人材紹介や翻訳サービスを行うレピュニット・ラボ合同会社を...

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