飲食店を取り巻く問題を取り上げると星の数ほどあがってきますが、商社営業職、飲食店経営者、コンサルタントアシスタントという経歴から見えてきた課題感をこの記事でお伝えしていきます。
※このコーナーで定義している飲食店は、スナック、キャバクラ、バー等も含んでいます。
前回の講座Part.1 では、「公式Webサイト以外のSNS等との連携」に関して、「公式Webサイト以外の媒体と役割とその連動」について解説しました。
Part.2では「SNS連携の考え方と注意点」と「各媒体で取得したデータに基づく改善」について解説します。
2.SNS連携の考え方と注意点
2-1. 更新の有無が生み出す信頼関係
SNS連携での注意点ですが、SNS活用で一番重要なのことは、
どれだけ頻繁に更新しているのか → ホットな情報、今の情報が載っているか
ということです。
ご存じのように、SNSは、今日、今の情報を配信するリアルタイムな情報メディアです。
1週間前の情報ならまだしも、何ヶ月も前の情報がアップされている状態は、健全な情報メディアとは言えません。
例えば、「××キャンペーン中」「〇名様以上で、△割引」等、店舗側が情報を発信したタイミングで、ユーザーが情報をキャッチアップするわけではないので、ユーザーの立場からすると、どの情報が最新なのか判断がつきにくい状態です。
最悪の場合、ユーザーが来店した時には、その期間限定のサービスが終わっているということにもなりかねません。
その為、
多少情報の粒度が粗かったとしても、リアルタイムに近い情報を届け続けることが重要
で、更新がない状態は、ユーザーに不信感を与えてしまいます。
お店側からすると、最終的には電話で確認して貰えば良いという考えもありますが、ユーザーからするとよっぽど行きたいお店でない限り、電話をして確認しません。
その時点で、行きたいお店の候補からはずれてしまうかもしれません。
もっと残念なのは、SNSを始めた頃のままの情報、例えば「X始めました。」という状態から更新が止まっているお店があることです。
極論ですが、「お店側のお客様への気持ち」が表れていると思われてしまうかもしれません。
SNSだけでなく、Webサイトも同様です。
更新が止まっている。(例えば、新着のニュースが半年前、1年前とか)
↓
・サイトに掲載されている情報が古いので、もしかしたら情報が正しくないのかもしれない。
・SNSやWebサイトを放ったらかしにしているようなお店
と不信感を与えてしまいます。
2-2. 自動連携の注意点
また、SNSで投稿した内容が、自動でWebサイトに掲載される仕組みを取り入れているお店も多くあります。ですが、この自動連携には、注意が必要です。
当店の場合、Instagramと連携をしていますが、自動連携はしておらず手動で更新をしています。「自動連携した方が楽なのでは?」という声もありますが、ご指摘の通り、手間という意味では自動連携しておいた方が楽です。
しかし、SNS(特にInstagram)は、頻繁にWebサイト側のシステムがアップデートされるので、Webサイトとの自動連携がいつのまにか解除されて、更新されないということも少なくありません。
頻繁にWebサイトをチェックする習慣をつける、もしくは、Webサイト制作会社等に、システムのアップデートを修復対応して貰う保守契約を締結しておかないと、知らぬ間にユーザーの信用を落としかねないことがあるということを、理解しておいた方が良いと思います。
3.各媒体で取得したデータに基づき、改善を行っていく
前回の講座の冒頭でお伝えした通り、
Webサイト・SNSは、運用後、分析し、その後の営業活動を改善していくことが目的
です。
各媒体によって取得できるデータに差はあるものの、
- どういう検索ワードでサイトに訪問してきているのか?
- サイトにアクセスした人の年齢や性別
- どんなページに興味を持っているのか?またどの媒体から遷移してきたのか?
等の情報を得ることができます。
ここで大切なことは、
各媒体で発信した内容に対して、
- 発信したコンテンツに対して、どういう反響があったのか?
- そこから顧客が求めているものは、これで良いのか、はたまた別のものか?
と仮説を立てて、さらに
- その仮説を元に新たなコンテンツを作成、配信
それをまた検証し、続けていく
ということです。
仮説・検証を繰り返していくことで、ユーザーライクなWeb・SNS媒体が少しずつ出来上がることで、最終的に集客・売上アップに繋がっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
皆さんが何か調べものをする時、ほぼ100%WebやSNSで検索すると思います。
各媒体によって、拡散がしやすいもの、即効性はないが、継続していくことで着実に成果が出てくるもの等、媒体によって特性があります。
その特性をある程度理解した上で、継続的にコンテンツを投稿し、改善を繰り返していくことで、ユーザーライクなWebサイト・SNSになっていきます。
そして改善を繰り返していく為にも、一定以上のデータが必要になります。
つまり、ある程度のコンテンツ量がないとそのデータが正しいのかも判断ができません。
ゴールがどこなのかを見定めないまま走り始めても、途中で息切れして更新を辞めてしまいます。
まずはWeb戦略を考え、目的を明確化することからがスタートになります。
当店もこれからコンテンツを拡充していきますので、データがある程度蓄積できましたら、どのように営業活動に影響があったのかを解説したいと思っています。
■筆者 : 福岡裕記の記事紹介
本サイト「飲食業の明日」コーナーにて、福岡裕記氏による記事の中から、飲食店の経営課題に関連する記事をピックアップしました。
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