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シャンパンとスパークリングワインとの違いは? | 毎日をちょっとだけ楽しくするワイン 第7回

シャンパン(シャンパーニュ)

唐突ですが、シャンパンってどういうものなのか知ってますか?
スパークリングワインとシャンパンとの違いを知ってますか?
今回はシャンパン、スパークリングワインについて、ワインスクールの講師でありワイン専門家の瀬川あずささんに教えていただきました。


シャンパンとスパークリングワインは違う?

「シャンパン(Champagne)」とは、フランス北部のシャンパーニュ地方にて決められた条件で造られている発泡性ワインのこと。
そして「スパークリングワイン」は泡立っているワインの総称です。

キラキラした泡を見つめているだけで、幸せな気持ちになれるスパークリングワイン。
泡立っているワインは世界のあちこちで造られていて、フランスの“シャンパン”はもちろんのこと、イタリアの“プロセッコ(※1)”やスペインの“カヴァ(※2)”などが有名です。

※1 プロセッコ : イタリア北部のヴェネト州で造られる、世界で最も売れているスパークリングワイン。フレッシュで親しみやすい味わいです。
※2 カヴァ : スペインのカタルーニャ地方で造られるスパークリングワイン。シャンパーニュ同様に二次発酵を瓶内で行う伝統的製法で造られます。

「シャンパン」のことを専門家やワインラヴァーはフランス語の発音で「シャンパーニュ」と呼ぶことが多いのですが、その呼称を名乗れるのは、フランスのシャンパーニュ地方で造られ、厳しい規定を満たした発泡性ワインだけ。

それがあまりにも有名になりすぎて、私たちは泡立っているワインを何でも「シャンパン」と呼んでしまう傾向にあるのですが、ぜひ意識して使い分けるようにしてみてください。
そして今回は、シャンパーニュを最大限に楽しむためのエッセンスをお伝えします。


これだけは知っておきたいシャンパン(シャンパーニュ)のマメ知識

シャンパーニュ(シャンパン)

シャンパーニュ(シャンパン)をよく目にするのは、なんといっても「乾杯」のシーン。

人は乾杯の数だけ幸せになれる……

などと言われている通り、シャンパーニュはまさに幸福や祝福の象徴とも言えるアイテムです。


もちろん知識がなくても楽しめますが、ちょっと勉強してみると、その魅力と奥深さに引き込まれてしまうはず。


今回はシャンパーニュの特徴と楽しみ方、その泡の秘密にも迫ってみましょう。

特徴(1)細やかな泡立ちと香ばしさ

シャンパーニュを味わう前に、ぜひ試していただきたいこと。それは、その繊細な泡立ちを愛でること、そしてその複雑な香りを楽しむことです。

シャンパーニュは、通常のアルコール発酵の後に「瓶内二次発酵」と呼ばれる特別な発酵過程を経ます。ボトルの中で二度目のアルコール発酵が行われることで、副産物である二酸化炭素がワインに溶け込んでゆき、あの細やかな泡が生まれるのです。
注いだ際に、輝きながらグラスの下から上へと立ちのぼっていくパールのような発泡は、飲み手の気持ちをも上向きにしてくれます。そして香りをとってみると……トーストのような香ばしさを感じることができるはずです。

これは、シャンパーニュが酵母の死骸である「澱(おり)」と共に長期にわたり熟成された証。この香ばしさもシャンパーニュならではの特徴です。
味わってみると……華やかな果実味に加え、凛とした酸やミネラルを感じることができるでしょう。この洗練された味わいは、シャンパーニュの冷涼な気候や、石灰を含んだ土壌に由来するもの。

このようにシャンパーニュの外観・香り・味わいを通して、気候や土壌や独自の製法によって表現される、シャンパーニュならではの特別な風味を是非感じ取ってみてください。

特徴(2)セレブリティを魅了するファッショナブルなワイン

シャンパーニュはファッションとも密接な関係があります。
例えば最も有名な「モエ・エ・シャンドン」や「ドン・ペリニヨン」、また先ほどご紹介した「ヴーヴ・クリコ」といった幾つかの著名シャンパーニュは、多くのファッションブランド(ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールなど)を所有するLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループの傘下にあります。よってファッションとのコラボレーションも積極的に行われるのです。

宣伝広告費に莫大なお金をかけるのも、ワインの世界では珍しいシャンパーニュならではの手法。
メディアやイベントへの戦略的な露出をすることでブランド価値を高め、飲み手のステイタス感を高めるというアプローチは、まさにファッション業界(特にハイブランド)に通ずるものです。
もちろん栽培から醸造までを一貫して行うような小規模の造り手もいて、その限りではないのですが、基本的に「メゾン」と言われる大手生産者は、ファッショナブルなイメージを世界に発信し、展開しています。

こうした魅力も手伝って、シャンパーニュは時代の最先端を生き抜いてきた歴代のセレブリティを常に魅了しています。

ルイ15世の公妾としてフランスの歴史に名を残すポンパドール夫人、20世紀を代表するフランスの女性デザイナーのココ・シャネル、グラマラスなスタイルで世界を魅了したアメリカの大女優マリリン・モンロー……と枚挙にいとまがありません。

ポンパドール夫人は、「飲んでなお女性が美しくいられるのはシャンパンだけ」という名言を残しています。いつの時代もシャンパーニュは多くの女性を虜にして、彼女達を美しく彩る魔法のアイテムだったのかもしれません。

特徴(3)マニアックにも楽しめる

さて、ここまではシャンパーニュの華やかな部分にフォーカスしてきましたが、シャンパーニュの魅力はそれだけにとどまりません。筋金入りのワインラヴァーをも唸らせるような奥深さを兼ね備えているのがシャンパーニュの魅力です。

その楽しみ方は多岐にわたっていますが、いくつかのポイントをご紹介しましょう。

まずは造り手による違い。
大手メゾンなのか小規模生産者なのか、そして彼らがどのような栽培・醸造アプローチをしているのかで、そのスタイルは全く変わってきます。
使用するブドウ品種によってもそう。シャンパーニュは基本的にはシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの3品種が使われることがほとんどですが、使用品種やその比率もシャンパーニュの個性を決める重要な要素です。

そしてヴィンテージ。スタンダードなシャンパーニュは複数ヴィンテージの原酒をブレンドして造られているのですが、単一年のブドウから造られるものもあり、その年ならではの個性を楽しむこともできます。
さらには熟成期間の違いや、エリアの違いなどなど……学びはじめるとキリがありません。まさに、世界のワインラヴァーが「泡」にハマってしまう所以(ゆえん)です。

いかがでしたか? ファッショナブルさと奥深さを兼ね備えた魅惑のワイン、シャンパーニュ。様々な角度から掘り下げることができ、その楽しみ方はあなた次第。ぜひ、色々なアプローチでシャンパーニュを味わって、幸せを引き寄せていきましょう。


オススメのシャンパン!

ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット (Veuve Clicquot Brut)
・生産者:ヴーヴ・クリコ (Veuve Clicquot)
・産地:フランス シャンパーニュ地方

華やかなオレンジ色のエチケットが目を引く、世界中で親しまれているシャンパーニュ「ヴーヴ・クリコ」。実は、“ヴーヴ”とはフランス語で“未亡人”という意味なのですが、それはシャンパーニュ業界に素晴らしい功績を残した偉大な女性、マダム・クリコを指しています。夫のフランソワ・クリコが亡くなって未亡人になった彼女は、彼の情熱を引き継ぎ、シャンパーニュ造りに熱心に取り組み、画期的なアイデアをもって、ビジネスの拡大とクオリティーの向上に努めました。

澱を取り除く手法を発明し透明なシャンパーニュを造り出したのも、ブレンド法によるロゼ・シャンパーニュを生み出したのも彼女です。ヴーヴ・クリコ社では、マダム・クリコの遺志を継ぎ、今でも独自のアワードを設け、挑戦する女性を応援しつづけています。


(編集部)
そもそも、シャンパーニュ地方にて決められた条件で造られている発泡性ワインしか「シャンパン」と呼ばないことを知りませんでした。
結婚式の乾杯でよく飲んでいるのはどちらだったのか? リカーショップでエチケットを見て産地を見てみましょう!!

シャンパン(シャンパーニュ)

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